「オーストラリアで大学留学したいけど、何から始めたらいいか分からない」「入学までの流れが知りたい」という方向けに、進学までの流れや詳細をまとめました。
留学の全体像を知り、やるべきことをはっきりさせ、留学準備を始めましょう。
1 何をどこで学ぶか考える
コースを選ぶ
大学留学で一番大切なことは「何を学ぶか」です。まずは、留学の軸となる学びたい分野を考えていきましょう。
オーストラリアでは多くのコースで留学生を受け入れており、選択肢は多岐に渡ります。将来就きたい職業や興味のある分野があるか、コース一覧やコース検索から見てみましょう。
もし興味のある分野がないという方は、留学生に人気の学部や学費の安い大学ランキングなどもチェックしてみてください。
分野によっては限られた大学や都市でしかコースが開かれていないこともありますので、注意が必要です。
学位を選ぶ
大学では主にBachelor Degree(学士)を取得できますが、大学によってはDiplomaなどの下位の学位を提供していることもあります。
TAFE/カレッジでは、主にCertificate〜Advanced Diplomaまでの学位が取得できますが、BachelorやMasterなど大学と同じ学位が取れる学校もあります。大学と同じ学位でもTAFE/カレッジのほうが学費が安いため、費用を節約するために選ぶ人も多いです。
また直接大学に入学するより、Diplomaコースを修了してからBachelorコースに編入することで学費が安くなるパターンもあります。
オーストラリアと日本の学位システムの違いから、高校卒業から直接大学に入学できないケースが多く、その場合はファウンデーションコースという入学準備コースから入る必要があります。
TAFE/専門学校 | Certificate I | |
Certificate II | ||
Certificate III | 高校卒業程度 Cert IIの修了が入学条件の場合も | |
Certificate IV | 高校卒業程度 Cert IIIの修了が入学条件の場合も | |
Diploma | 日本の大学1年次と同等 | |
Advanced Diploma | 日本の大学1年次と同等 | |
Associate Degree | 短期大学士、日本の大学1-2年次と同等 | |
大学 ※TAFE/専門学校 | Bachelor Degree | 学士 |
Bachelor Honours Degree | ||
大学院 ※TAFE/専門学校 | Graduate Certificate | |
Postgraduate Diploma | ||
Graduate Diploma | ||
Masters Degree | 修士 | |
Doctoral Degree | 博士 |
留学先の都市を選ぶ
オーストラリアの都市はそれぞれ特徴があり、気候やライフスタイルが全く異なるため、自分に合った都市を選ぶのがおすすめです。
シドニー
オーストラリア第一の都市で、留学生はもちろん観光客からも大人気のシドニー。
オペラハウスやハーバーブリッジなどのオーストラリアを代表する観光地があり、シティからバスで30分ほどでビーチに行くこともできます。そのため自然からシティライフまで、短期間で楽しみたい人にもおすすめです。
移民大国であるオーストラリアの中でも特に多国籍な都市で、特にアジア系の移民や留学生の割合が高いです。日系スーパーや日本食レストランもたくさんあり、そこで働いている日本人留学生も多くいます。
学校数が多いので、語学学校のコースの選択肢が広く、格安学校もあります。
メルボルン
「世界の住みやすい都市ランキング」でも上位で、生活の質が高いメルボルン。
ヨーロッパを感じる歴史的な建物があり、魅力的なカフェもたくさんあります。またバーでのライブパフォーマンスやウォールアートなどで盛んで、アートの街としても有名です。
現在はシドニーに次ぐ第二の都市ですが、人口が年々増加しており、近い将来シドニーを抜くという予想も。これからの成長も期待できる街と言えるでしょう。
メルボルン大学やモナシュ大学など、レベルの高い名門大学が集まっているため、進学英語コースに通う人も多いです。
ゴールドコースト
オーストラリアの有名な観光地「サーファーズ・パラダイス」があるゴールドコースト。年間300日以上が晴天で、サーフィンやシュノーケリング、ビーチスポーツなどの野外アクティビティが盛んな都市です。
アジア人が比較的少なく、ヨーロッパや南米からの留学生が多いのも特徴。住んでいる人々の年齢が若めで、ナイトクラブやバーなどの娯楽が多く、夜通しにぎわいがあります。
語学学校は小規模なことが多く、楽しみながら学びたいという人も多いです。土地柄を活かしてホスピタリティや調理師、サーフィンなどを学べるコースもあります。
ブリスベン
オーストラリア第三の都市と呼ばれ、都会と地方の良さを併せ持つブリスベン。街はコンパクトでビジネス、ショッピング、レストラン・バーなどのエリアがまとまっているため非常に便利です。
シドニーやメルボルンといった大都市よりも物価が安く、家賃も抑えられるのも魅力。シドニーと同じ家賃の部屋でも、より広くて大きい部屋に住むこともできます。
ブリスベンの語学学校はシティ周辺に集まっており、通学もしやすいです。モチベーションの高い学生が多く、勉強に集中しやすい環境と言えます。
パース
日本での知名度は低いものの、穴場の人気都市であるパース。オーストラリアの有名都市はほとんどが東海岸にありますが、パースは西海岸にある唯一の都市です。
自然と街が調和されており、シティの中心を流れるスワン川を中心にビジネス街や住宅街、自然公園などがあります。ビーチや有名な観光スポットも近く、ゆったりとした雰囲気の中で暮らしたい人におすすめです。
アジア以外にも、ヨーロッパや中東など多国籍な国から人が集まっており、永住権や現地就職を目指している人も多いです。学校の数は少なめですが、進学向けや試験対策などのコースの種類はあります。
ケアンズ
日本から近いオーストラリアの観光地として有名なケアンズ。リゾート地なため、都会とは正反対のゆったりとした雰囲気が味わえます。
他の都市と比べて物価が安いので、留学費用を抑えることができます。アルバイト先は都市よりは少ないですが、観光地のためお土産屋さんやレストランなどの求人はあります。
ケアンズは小さい町のため、語学学校は数校しかありません。しかしダイビング資格を取得できたり、観光や野外アクティビティを楽しめるなど、特色のあるコースもあります。またクラスも少人数制でアットホームな雰囲気があります。
2 留学の予算を考える
コースが決まったら、大体予算がどれほどかかるのか見てみましょう。
日本と違い、オーストラリアの大学(Bachelor)は3年間で卒業できます。しかしその前にファウンデーションコースや語学学校に通う場合は、その分費用がかかるのでご注意ください。
大学の学費は300-500万円ほどですが、有名大学や理系の学部では600万円以上する場合もあります。
生活費は都市によって異なり、大都市は特に高くなります。コースは格安で通えるビジネス系カレッジから、実習や整った設備を持つコースまで様々あるため、学費の幅も大きいです。
費用と期間の目安
各費用 | 総費用 | |
学費 | 300~500万円×3 | 900〜1500万円 |
生活費 | 200~300万円×3 | 600~900万円 |
渡航費(往復) | 7~20万円 | 7~20万円 |
学生保険費用(OSHC) | 6万円 | 18万円 |
学生ビザ申請費用 | 6万円 | 6万円 |
合計 | 1530〜2500万円 |
3 留学相談
コースや費用について知ったら、ネットで調べても分からないような疑問が出てきたのでは。そんなときは無料で留学相談してみましょう。
「学部は決まっているけど、どの大学にすればいいか迷っている」「予算に合う大学が見つからない」など、留学に関する悩みは何でも質問していただけます。
KOKOSではオーストラリア全土のTAFE・カレッジと契約を結んでいるので、学生の目標や希望に合わせて様々な選択肢を提案することが可能です。
ご相談はメールまたはLINEでお問い合わせいただき、ご希望の方はご都合のいい日にオンライン面談でお話することもできます。
弊社ではお問い合わせ後の執拗な営業メールは一切行なっておりません。また留学相談含め留学サポートは全て無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
4 出願する
希望の大学が決まったら、申込フォームに入力して正式に留学サポートのお申込みをしていただきます。
その後はカウンセラーが大学側と留学生の仲介役となり、相互に連絡を取りながら入学に必要な手続きを進めていくという流れです。
オーストラリアの学校では日本のように出願の締め切り日がないため、コースの学生数が埋まり次第、出願が締め切られます。そのため、入学までに時間がある場合でも余裕を持って準備をするのがいいでしょう。
入学に必要な提出書類につきましては、コースや大学により異なることもありますが、多くの場合は以下が求められます。
【出願に必要なもの】
・Application Form(出願書)
・入学許可書(入学手続きし、学費を納入した後に送られる)
・最終学歴の証明書(英文)
・最終学歴の卒業証明書または卒業見込証明書(英文)
※英語試験のスコア(TOEFL、IELTSなど)
※ポートフォリオ(アート学部など)
英語試験のスコアはなくても、出願まではすることができます。その場合はコンディショナルオファー(仮合格)というものが発行され、英語力を後で満たすことでフルオファー(本合格)となります。
そのため弊社では英語力が満たなくても一度出願し、成績面で合格できるか確かめることをおすすめしています。
5 入学手続きをする
通常、出願後2〜1ヶ月ほどで大学から合否結果が知らされます。
合格した場合は入学手続きにオファーレターが送られてくるので、その内容を確認し、コースの開始日や学費などが合っていることを確かめてから支払いをしましょう。多くの場合、この時に払うのは入学費と1学期分の学費です。
また、次のステップの学生ビザ申請で必須となるため、この時点で留学生保険(OSHC)にも加入しましょう。
入学書類を提出し、入学手続きが終わると学校からCOE(入学許可証)が発行されます。
大学寮に住もうと思っている場合は、この段階で寮への申込をしましょう。大学寮は非常に人気なため、入学直前で申し込んでも部屋が残っていない恐れがあります。
6 必要なビザを申請しよう
COEが発行されれば、残る手続きは学生ビザの申請のみ。
学生ビザは政府の公式ポータルでアカウントを作成することで、オンラインで申請・支払いができます。
【ビザの申請に必要なもの】
・パスポート
・GTE(英文の留学の理由書)
・COE(入学許可証)
・OSHC(海外留学生保険。3ヶ月以上の留学の場合は加入が義務)
ビザは最短で1日〜1ヶ月ほどで発行されますが、 状況によってはそれより時間がかかることもあります。
ビザが無事発行されるには、正確な情報を間違えないように入力する必要があります。
KOKOSで学生ビザの申請サポートも行なっているので、英語での手続きに慣れていないという方でも安心です。実際、ほとんどの学生が問題なくビザを取得しています。
7 出発の準備をしよう
航空券を購入する
学生ビザが発給されたら、渡航日程を決めて航空券を予約しましょう。
学生ビザでは、コースが始まる3ヶ月前から入国することができます。
役所での手続き
1年以上の留学をする場合は、日本を発つ前に役所の手続きをする必要があります。
必要な手続きをせずに日本を発ってしまうと、国から社会保険や税金の支払いが求められてしまいます。また、住民票を抜き忘れると住民税や国民健康保険を払うことになります。
以下の手続きを忘れずにし、安心して渡航できるようにしましょう。
1 住民票を抜く
2 海外転出届を提出する
3 住民税を支払う
4 国民年金を支払う
5 国民健康保険の手続きをする
6 確定申告を行う
7 郵便転送依頼
留学前の公的手続きについて見る
持ち物を準備する
何を持っていけばいいか分からないという人は、以下のチェックリストを確認しましょう。
日常用品は現地でも買えるので、日本からすべて持っていく必要はありません。しかしこだわりのあるもの、日本で買ったほうが安いもの、オーストラリアでなかなか買えないものなどは持ち込むのが便利でしょう。
現地生活に向けての準備
歯の治療
オーストラリアの歯医者は非常に高いことで有名です。歯医者にもよりますが、一般的な診療は1万円、虫歯治療は5-10万ほどします。
さらにOSHC(留学生保険)では歯科治療はカバーされていないため、全額負担となります。海外留学保険や歯科治療専門の保険もあるものの、40-50%という制限がついている場合が多いです。
そのため、保険でカバーされても日本で治療したほうが安いというケースもよくあります。歯に違和感を感じている方はもちろん、問題のない方でも渡航前に歯科検診を受けるようにしましょう。一回の通院では完治しないことも多いので、留学を決めたら早めに行くといいでしょう。
携帯電話の準備
携帯電話は、現地に到着してから一番に必要となるもの。
現地で使える携帯を手に入れる方法は、日本で買ったSIMフリー携帯に現地で買ったSIMを差して使うか、現地でSIMと携帯電話の両方を購入するかがあります。
使いたい携帯にSIMロックがかかっている人は、ロック解除をする必要があるので注意しましょう。
留学生の中では日本で使っていた携帯をそのまま現地で使う人が多いです。その理由としては以下があります。
・使い慣れた携帯を使いたい
・オーストラリアで携帯を買うと高い
・現地で携帯探しをするのが手間
日本の携帯を使いたい人は現地の空港や店でSIMを買い、その場でアクティベートすることもできますし、事前にamazonなどで買うこともできます。
海外旅行保険に加入
OSHCでは必要最低限な治療費がカバーされるため、基準額を超えた場合や、妊娠・歯科・盗難などの補償はありません。
そのため、不安な方はOSHCと併用して海外旅行保険に加入されることが多いです。OSHCのカバー範囲を確認し、必要であれば追加の保険へ加入することを考えましょう。
英語力を上げる
渡航までにまだ時間がある方は、英語の勉強をするとよいでしょう。教育機関の違いに関わらず、「日本で英語をもっと勉強しておけばよかった」と後悔する留学生が多いです。
語学学校の場合、事前に英語の基礎知識を身に付けると、授業の理解力が上がると言われています。独学できるところは独学してから学校に通うと、効率的に英語力を伸ばすことができるでしょう。
またTAFE/カレッジや大学では専門分野を学ぶのに忙しく、英語の勉強をしている時間がないという声もよく聞きます。渡航前に英語力を少しでも上げて、スムーズに授業を受けられるようにするのがおすすめです。
8 留学開始
いよいよ留学生活が始まります。到着してから数週間の間は、現地生活に必要な準備をしましょう。
【現地の生活準備】
・銀行口座の解説
・携帯電話の契約
・タックスファイルナンバーの取得
・在留届の提出
・シェアハウス、アパート探し
・アルバイト探し
必要な手続きは数日で終わることが多いですが、留学生の方が最も苦戦するのがシェアハウス探しとアルバイト探しです。
渡航前にシェアハウスを探して契約しようとする方がいますが、大きなリスクが伴いますので止めましょう。
オーストラリアでシェアハウスに住むには、事前に内覧に行って部屋を実際にチェックするのが当たり前。内覧無しで契約してしまうと、実際の条件と全く異なる部屋に住まされることがあります。さらに契約のためのお金を払ったのに、実際には部屋がなく詐欺だったというケースもあるようです。
そのためシェアハウスに住みたい方は、渡航してから1週間-1ヶ月の間はゲストハウスやairbnbなどに滞在し、部屋探しをしましょう。
滞在先探しについては、以下の記事で詳しく紹介していますのでご覧ください。
アルバイト探しについては、日本とオーストラリアでは異なる点が多いです。英語力の低い方はまず、高い英語力を求められない職場やポジションから始めるのがおすすめ。
それでも仕事が見つからない場合は、シフト時間に融通が利くことや、近くに住んでいることをアピールしましょう。
詳しい仕事探しの仕方については、以下の記事で詳しく紹介しています。