2024年7月1日より、卒業生ビザに関する名称・ルールが変更されることがオーストラリアの移民局より発表されました。
ルール適用開始時期
2024年6月30日までの申請分については旧ルールが適用され、7月1日以降の申請分から新ルールとなります。
今後新たに卒業生ビザを申請する予定の方は、最新情報を確認するようご注意ください。
卒業生ビザ(subclass 485)のストリーム名称変更
卒業生ビザは下記の3つがあり、その名称が変更されます。
(旧)Graduate Work stream
(新)Post-Vocational Education Work stream:オーストラリアの職業リストSkilled occupation list (SOL) に指定されている職業に関連した合計2年以上の専門課程コースを修了した方向け。
(旧)Post-Study Work stream
(新)Post-Higher Education Work stream:オーストラリアの教育機関で学士以上の学位を取得した学生向けのビザ。
(旧)Second Post-Study Work stream
(新)Second Post-Higher Education Work stream:Post-Higher Education Work streamが延長できる、いわゆるセカンド卒業生ビザ(ただし、オーストラリアの地方に住み、地方大学を出ている人に限られます)。
滞在期間および年齢制限の引き下げ
年齢制限が大幅に引き下げられ、コロナ禍の人手不足のため本来の卒業生ビザの期間プラス2年間の延長申請が可能だった理系・工学系・IT系・医療系、博士課程など特定分野の延長措置も廃止されます。
Post-Vocational Education Work streamの申請可能年齢は、35歳以下・滞在期間は18ヶ月
(現在の50歳未満、延長された滞在期間24ヶ月から元の期間に引き下げ)
Post-Higher Education Work streamの申請可能年齢も、35歳以下・滞在期間は2年
(現在の50歳未満、延長可能だった滞在期間4-6年から引き下げ、学士・修士とも同じ期間に)
ただし、コースワークではなくリサーチ課程の場合は、修士・博士とも卒業生ビザの申請は50歳未満、滞在期間は最大3年となります。
Second Post-Higher Education Work streamの申請可能年齢は、50歳未満・滞在期間は1-4年で変更ありません。
今後の留学計画への影響は?
学生ビザには実質年齢制限はありませんので、オーストラリアへ留学すること自体は、この変更によって特に影響はありません。
しかし、オーストラリアの語学学校、専門学校、大学、大学院、TAFEを卒業してからも、現地になるべく長く滞在したいと考えている30代前後の方にとっては、今後の留学計画を早めに立てておく必要が出てきました。
オーストラリアのコースワークは関連学士の資格がなくても入学が可能で短期間で卒業できるため、日本で大学を卒業した多くの留学生が希望するルートです。
もし卒業する際の年齢が35歳を過ぎてしまう場合、ご自身の学歴に関連したリサーチ課程への進学も視野に入れるとよいでしょう。
日本と異なり、オーストラリアではリサーチ課程の学生にはプロジェクト遂行型の課題が割り当てられ、資金的援助が受けられる場合が多く(その分入学審査は厳しくなりますが)、資金的な負担も減らせることがメリットです。
また、卒業生ビザを延長できるSecond Post-Higher Education Work streamを得るため、地方大学への進学も選択肢として考えておくとよいかもしれません。
地方の定義(カテゴリー分けされており、それによって卒業生ビザの滞在期間も異なります)についてはこちらの移民局のリンクを参照してください。