オーストラリアの専門学校とは?知っておきたい基本情報まとめ

TAFEのキャンパスで勉強する学生のイメージ
目次

オーストラリアの専門学校とは?

オーストラリアの専門学校とは、州や政府から独立した私立の学校のこと。

留学生に人気のコースを幅広く提供しており、ビジネスやチャイルドケア 、ITなど特定の分野に特化した学校があるのも特徴です。

取得できる資格や学位も様々で、大学のようにBachelor(学士)やMaster(修士)を取得できるコースもあれば、職業訓練コースもあります。

また、語学学校と併設されている専門学校や、英語コースを提供している専門学校も多く、バリスタコースなど数週間で卒業できるコースもあります。

私立とはいえ、すべて政府の認定を受けて運営しており、AQF(Australian Qualifications Framework)という機関が定めた基準をクリアしています。

そのため、専門学校で取得した学位や資格は、ビザ申請の際でもTAFEや大学で取得したものと同じように扱われます。

オーストラリアの大学とTAFEとの違いは?

オーストラリアにある教育機関には、TAFEの他に私立の専門学校と大学があります。それぞれの違いは以下の通りです。

スクロールできます
専門学校TAFE大学
運営私立公立私立、公立
授業内容学術〜実践実践学術
学費安め普通高い
入学難易度普通普通難しい
入学日3-4回/年2回/年2回/年
学生比率ほぼ留学生ほぼオーストラリア人留学生とオーストラリア人
各教育機関の比較

専門学校は学費が非常に安く、大学の同じコースと比べると学費が1/3-1/4という場合もあります。

しかもTAFEや大学と同じ資格や学位を取ることができるので、費用を安く抑えたい人にとっては魅力的な選択肢です。

しかし留学生の割合が多く、オーストラリア人がほぼいないこともあります。また、設備やキャンパスの大きさではTAFEや大学に劣ります。

オーストラリアの専門学校で学べる分野やコース

専門学校で開講されているコースはビジネス、IT、会計、ホスピタリティ、チャイルドケア 、クッカリー、デザインなどが最も多いです。

TAFEと違い、コースの分野は限られており、マイナーな分野や留学生に人気のない分野は提供されていないことが多いので注意しましょう。

オーストラリアの専門学校のキャンパス

ケントインスティチュートのエントランス

専門学校のキャンパスは都市に集中しており、郊外や地方にある学校は少なめ。

またビルの中にキャンパスが入っていることが多く、規模はTAFEや大学と比べると小さいです。

オーストラリアの専門学校で取得できる資格や学位

Certificate1〜4|証明書

TAFEで取得できる、一番難易度の低いコースはCertificateです。Certificateとは「証明書」や「修了書」であるため、専門資格と呼べるのはDiploma以上となります。

そのため、留学生の中にはCertificateを経由してDiplomaを取得したり、Certificateを飛ばしてDiplomaからスタートする人も多くいます。

しかし、現地の職場ではCertificateを持つことでその能力が認められることもあります。

例えば、シェフの場合はCertificate 3〜4を取得すると即戦力として実際の調理に関われたり、チャイルドケアワーカーであればCertificate 3を取得すると保育の現場でアシスタントとして働くことが可能です。

Certificateのレベルは1〜4まであるものの、1〜2を提供しているコースは少なく、ほとんどのTAFEが3〜4を提供しています。

Certificate1(4~6ヶ月)

管理指導のもとで、専門職業に関する基本的な技術を身につけ、基本的な実務を行える。

Certificate2(6~8ヶ月)

日々のルーティーンワークをこなし、簡単な問題を解決したり、状況に基づいて正しく対応することができる。

Certificate3(6ヶ月以上)

予期せぬ問題に対処し、ルーティーン以外の仕事もこなせる認知力、技術力、コミュニケーション力がある。

Certificate4(12〜18ヶ月以上)

現場チームのリーダーとしてチームメイトに仕事を教えたり、アドバイスあげたりしてプロジェクトを完成させられる。

Diploma|資格

多くの留学生が目指すDiplomaからは、授業内容もより専門的・本格的になります。

「Diploma以上のレベルの2年以上のコースで、定められた分野である」などの条件を満たすと、卒業ビザが取得できる可能性もあります。

Diploma(18〜24ヶ月以上)

専門分野で必要な基本的な知識やスキルを全て身につけている。資格として履歴書に書き、雇用者から認めてもらえるレベル。

Advanced Diploma(2〜3年)

Diplomaよりも責任の求められる仕事や、複雑な仕事を行える。管理者として働くこともできる。

Degree|学位

Degreeとは学位のことで、TAFEは大学ではないもののBachelorのような大学と同じレベルのコースを提供していることがあります。

主に雇用主に雇われて現場での実務を行うDiplomaと違い、Bachelorがあれば管理職に就いたり、国家資格を必要とする仕事(会計士、医師、弁護士など)に就くこともできます。

Bachelor(3年〜4年以上)

日本の学士号にあたるもの。幅広い専門知識やスキルを持ち、大学を卒業したことと同じレベルの資格をもらえる。

Master(2年以上)

日本の修士号にあたるもの。プロフェッショナルとしての確かな知識とスキルを持つ。

※コースによっては関連の学部を卒業していなくても入学できます。

オーストラリアの専門学校にかかる学費

学費は学校やコースによりますが、TAFEや大学よりも安い傾向があります。

以下に学費の例を紹介しますので、参考にご覧ください。

KOI(King’s Own Institute)

コース名Diploma of Accounting
学費合計$14,500
期間52週間
コース名Diploma of Management
学費合計$14,500
期間52週間
コース名Diploma of Information Technology
学費合計$15,500
期間52週間

ABM

コース名Diploma of Business
学費合計$12,000
期間52週間
コース名Diploma of Hospitality Management
学費合計$30,000
期間104 週間

オーストラリアの専門学校の入学条件

英語力

Certificate、Diploma:IELTS 5.5

Bachelor:IELTS 6.0~7.0

最終学歴の成績

高校卒業(GPA 2.5-3.0/5.0)

※アート系のコースではポートフォリオの提出が求められることがあります

入学時期

専門学校の入学時期は年に3-4回あり、日付は学校によって変わります。

TAFEや大学と異なり、一度入学時期を逃しても半年以上待つことがないのがメリットですね。

しかし永住権につながるコースなど、人気のコースは早く埋まってしまいますので、希望の学校があれば早めに手続きするのがおすすめです。

オーストラリアの専門学校卒業後のキャリア

オーストラリアの大学に進学

学んだ分野をより深く学びたい方におすすめなのは、大学進学です。

Diploma・Bachelorコースを卒業してから、大学のBachelor・Masterコースに進学することができます。

専門学校で学費を節約してから大学に入学すれば、費用を抑えつつ大学に通うことが可能です。

オーストラリアで就職

現地就職したい場合は、卒業後に働けるビザを取得する必要があります。

TAFEを卒業した留学生にとって一番多いのは、卒業ビザを取得するケース。卒業ビザがあれば一定の期間、自由に国内で滞在・就労することができます。

ただし卒業ビザの取得には条件があり、全てのコースの卒業生が取得できるわけではないので注意が必要です。

日本に帰国

一番多いのは日本に帰国するパターンです。

世界水準のスキルと英語力があれば、日本での就職の際にもアピールすることができます。

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