オーストラリアにワーキングホリデーのために来たものの、現地で滞在するうちに「もっと長くいたい」「まだ日本に帰りたくない」と考える人が多いです。
しかしそんな時に立ちはだかるのがビザ問題。
セカンド/サードワーホリを取得すればワーキングホリデービザを延長できます。しかし取得するには、決められた期間農場や工場で肉体労働をする必要があるため、躊躇する人が多いです。
そこで今回は、長期滞在を学生ビザで可能にする方法についてお伝えします。
費用別のおすすめの方法や、よくやってしまいがちな注意点についても紹介するので、滞在するビザについて悩んでいる人はぜひ読んでみてください。
オーストラリアの学生ビザで長期滞在するための2つの方法
学生ビザを利用して長期滞在するには、学位を取得する方法と格安のビジネス学校(ビザ取り学校)に通うという2つの方法があります。
1.学位や資格を段階的に取得する
一番おすすめの方法は、学位や資格を段階的に取得することです。
語学学校のコース、TAFEや専門学校の資格や学位、大学の学位という流れで段階的に取得していけば、学生ビザで長期滞在しながら、着実にスキルを積むことができます。
また、2年以上の条件を満たすコース(Diploma以上)を卒業すれば、卒業ビザを取得することもでき、さらに2-7年現地に滞在することができます。
卒業ビザはとても自由度が高いビザで、オーストラリア国内を自由に滞在・旅行・就労ができるので、多くの留学生が現地就労や永住権へのステップとして活用しています。
しかしオーストラリアの学校は学費が高く、特に大学は1年で200万~500万ほどかかります。この方法を選ぶなら十分に資金を貯めて、長期的に計画を立てる必要があります。
2.格安のビジネス学校(ビザ取り学校)に通う
経済的・英語力的なハードルの低さから、多くの人が選ぶのが格安のビジネス学校に行くという方法です。
オーストラリアには通称「ビザ取り学校」と呼ばれる、格安のビジネス学校があります。
そのような学校は学生ビザが取れるにも関わらず、学業にかける時間や費用が少なく済むのが特徴です。
- 学費が安く、1年で50万円程度のコースも
- 宿題・課題が少ない
- 授業時間に融通が効く
- 期間が自由に調整できる(半年〜2年など)
- ホリデー期間が長い
入学条件は学校にもよりますが、IELTSなら5.5以上、TOEFLであれば500以上としているところが多いです。
留学生から「ビザ取り学校」と呼ばれている学校でも、政府からの認定を受けて運営しているため、学校側でそのような利用方法を勧めている訳ではありません。
そのため他の学校と同じように、一定の出席率を満たし、政府の定めた就労時間を守る必要があります。
オーストラリアの学位や資格を取得するときに注意する点
卒業するごとに資格や学位のレベルを上げていく必要があることに注意しましょう。
学業が目的であれば、語学学校→Certificate I〜IV→Diploma→Bachelor..と高いレベルのコースへと進学していくのが普通。
しかし卒業したコースと同じ・または低いレベルのコースに進学すると、移民局によって学業ではなく長期滞在が目的と判断されてしまいます。そして移民局は学業でなく、長期滞在が目的で申請された学生ビザを受け付けない傾向があります。
最悪の場合、申請した学生ビザが拒否されてしまい、通学・滞在ができなくなる可能性も。
そのため、Diplomaなどの高い学位のコースにいきなり進学してしまうと、卒業すれば次はBachelorなどの難易度や学費が高いコースに進学せざるを得ません。
もちろん、元々高い学位を目指している場合であれば問題はありませんが、少しでも長く滞在したいと考えている場合は、語学学校などのレベルの低いコースから始めるのがおすすめです。
オーストラリアのビザ取り学校で注意するべき点
多くの人が駆け込み寺として利用するビザ取り学校ですが、注意するべき点があります。学校へ申し込む前に、まずは以下のデメリットを知っておきましょう。
役立つスキルや知識は身につきづらい
ビザ取り学校は授業内容が比較的簡単で、課題やテストも楽に合格できる傾向があります。
また滞在目的のクラスメイトが多いため、緩い雰囲気に流されてしまいがちです。
資格や学位の取得を目的とする学校と違い、あまり努力しなくても卒業できてしまうので、何のスキルも身につかないことがあります。
ずっと通うことはできない
「そんな便利な学校があるなら、ずっとその学校に通えばいいのでは?」と考える人もいるかもしれません。
しかし先ほども説明した通り、同じまたは低いレベルのコースに何度も進学することはできません。
そのため、安いからといってビザ取り学校に通い続けることは難しいです。
ビザ取り学校に通うことはあくまで一時的な方法。本当に長く現地に滞在するなら、他のビザの取得を考えたり、着実に学位や資格を積む必要があります。
長期的には学位や資格の取得がおすすめ
2つの方法で、どちらがいいか迷ったら以下の点を考えてみましょう。
- 学位や資格を取れるだけ資金がある
- オーストラリアでのキャリアを考えている
- ゆくゆくは現地で就職・永住したい
- 学位や資格を取るための資金がない
- 日本などオーストラリア国外でのキャリアを考えている
- 数年でいいので現地での滞在を伸ばしたい
どうしてもオーストラリアに滞在したいと考える理由には、ワーホリビザが切れるということ以外にも、パートナーができた、永住権のスポンサー探しなど様々あると思います。
数年間の滞在で達成できる目的がある場合や、ただ現地での生活を楽しみたいという場合は、ビザ取り学校を活用するのも手です。
しかし、長期的にオーストラリアに住みたいと考えている人や、将来のためのスキルが欲しいと考えている人には、資格や学位の取得をおすすめしています。
もちろん費用がかかるというのは大きなハードルですが、比較的安く通えて資格や学位が取得できる専門学校もありますので、ぜひ相談していただければと思います。