オーストラリア留学したいという気持ちがあっても、費用が高すぎると考える人は多いです。留学に必要なのは学校の学費、家賃、生活費、娯楽費などがあり、円安や物価高の影響も考えなければいけません。
しかし、オーストラリアは働きやすい国でもあり、学校に通いながらでもアルバイトをすることができます。現地のお金で安定的な収入があれば、留学費用の大きな支えとなるはず。
今回はオーストラリアで働きながら留学する方法やそのメリットについて詳しく説明していきます。
オーストラリアで働きながら留学するためのビザ
働きながら留学したいと思ったら、まずはどのビザで滞在するのかを考えなければいけません。
選択肢としては学生ビザ、ワーキングホリデービザ、卒業ビザの3つがありますが、それぞれのビザを取得する条件や取得後にビザで出来ることは異なります。
オーストラリアの学生ビザ
・TAFE、専門学校、大学に通う人
・4ヶ月以上語学学校に通う人
4ヶ月以上の留学をする人が申請するのが学生ビザ。主な取得条件には政府が認定したコースをフルタイム(週20時間以上)で受講すること、80%の出席率を保つこと、OSHC(留学生用保険)に加入することなどがあります。
学生ビザを取得する時の教育機関は、語学学校、TAFE、専門学校(カレッジ)、大学など様々です。
学生ビザがあれば週に20時間までのアルバイトをすることが可能で、ホリデー期間であれば無制限で働くことができます。しかし大学院に通っている人で、マスターコースのリサーチやドクター(Phd)コースに通っている場合は就労時間の制限がありません。
アルバイト先には特に制限がなく、自由に雇用主を探したり、同じ雇用主の元で働くことができます。
オーストラリアの学生ビザは、他国と比べても就労の自由度が高いです。そのため、多くの留学生が学生ビザを取得して働きながら留学しています。
とは言え「学生ビザ」という名前の通り、このビザのメインは就学。出席率が下がると学校が移民局に連絡し、ビザをキャンセルされますので気を付けましょう。
オーストラリアのワーキングホリデービザ
・4ヶ月以下のコースに通う人
・短期の語学留学やスキル留学
ワーキングホリデービザ(ワーホリビザ)は休暇をすることが目的のビザで、取得できれば1年間の滞在と条件つきの就労・就学をすることができます。さらにセカンド、サードワーホリビザの制度を利用し、条件を満たせば最長で3年間滞在することも可能です。
主な取得条件には18際以上31歳未満であること、今までにオーストラリアでワーホリビザを取得したことがないことなどがあります。年齢制限さえ満たせば、学生ビザよりも経済的な負担が少なく取得しやすいビザです。
しかしワーキングホリデーはあくまで現地で休暇をする目的のビザなので、就労と就学には条件がついています。
学生ビザのような就労時間の制限はないものの、同じ雇用主の元で働くことが出来るのは6ヶ月までという制限があります。そのため、雇用主を変えれば年間を通して就労することが可能です。
また、就学ができるのは4ヶ月以下となるため、ワーホリビザで通えるコースは語学学校の短期コースが中心です。しかし語学学校によっては、英語以外にもバリスタやサーフィン、ホスピタリティなど短期でスキルを得られるカリキュラムもあります。
※卒業ビザ
卒業ビザとは2年以上でDiploma以上の学位を取得し、追加の条件を満たした場合に取得することができるビザです。
就労の自由度は学生ビザやワーホリと比べて非常に高く、期間内であれば制限なしで就労・就学することができます。
卒業ビザにはGraduate work streamとPost Study work streamの2つの種類があり、取得する学位によって分けられています。Post Study work streamの方が求められる学位が高く、取得できるビザの期間も長いです。
2023年2月には特定の分野を卒業した学士以上の学生は、ビザ期間がプラス2年されると発表されました。これにより4-7年ほどの卒業ビザが卒業できることになります。
オーストラリアに移住したい人や長期的に働きたい人などは、このビザを利用してスポンサーを見つけたり永住権のポイントを得るというパターンが多いです。
観光ビザでは3ヶ月までの就学はできますが、就労はできませんのでご注意ください。
オーストラリアの最低時給
2023年3月現在でのオーストラリアの最低時給は$21.38(1,931円)です。
※1ドル=90.33円とした場合
日本の最低時給は都道府県によって異なりますが、800円台〜1000円ほどなので2倍ほどの差があると言えますね。
さらにオーストラリアでは週末や祝日などの休日、早朝や深夜などの通常の時間外に働いた場合は給料が割り増しとなります。1.2-2倍ほど多く支払われるので、留学生の中には休日に働いて効率的に稼いでいる人もいます。
留学生の中にはアルバイトだけで家賃や食費などの生活費を賄っている人も多いです。
本当に高い時給が払われるの?
とはいえ、すべての雇用者が法律を守っている訳ではありません。雇用者の中には休日手当を払わなかったり、最低時給を守らない人もいます。
そのような雇用者は記録が残らないよう、現金で給料を支払うことが多いです。
しかしオーストラリアには仕事を求める留学生やワーキングホリデーの人たちが多く、特に経験や英語力がない場合は、そのような雇用者の元で働くしかないと考える人も多いです。
さらにワーキングホリデービザの場合は、学生ビザよりも高い所得税を払う必要があります。
オーストラリアの留学生がする主なアルバイト
学校に通いながら両立できるバイトで人気なのは、飲食店やサービス業などの時間に融通が効く仕事。求人も多く、経験が浅くても採用されやすいです。
オーストラリアには日本食レストランや日系のお店が多く、日本語で働ける場合も多いです。英語が難しいという人は、まずはそのようなお店で働いてみるのがいいでしょう。
他には清掃業、工事の現場作業、ベビーシッターなどがあります。
オフィスワークはフルタイムで働ける人を探している場合が多く、留学生が働くことは珍しいです。しかしその分野で豊富な経験がある場合や、有給インターンシップとして働く場合は可能性があるでしょう。
オーストラリアで仕事を探す方法
オーストラリアで仕事を探すには以下の3つの方法があります。
1. 求人の張り紙がしてあるお店などに履歴書を配る
2. オンラインで求人に応募する
3. 知り合いに紹介してもらう
1の方法は日本ではありえないかもしれませんが、オーストラリアでは一般的です。特にサービス業などは人柄を見て採用したいと考える場合が多いため、オンラインより確率が高いと考える人もいます。
2は日本と同じで、求人サイトから申し込むという方法です。
しかしオーストラリアでは求人に時給などの条件が示されていないことが多く、応募してトライアル(実技試験)をして始めて知るということも。飲食店やサービス業で、経験がない場合は基本的に最低時給スタートとなります。
3は運次第な部分も大きいですが、知人から紹介してもらうことでいい仕事をゲットできることもあります。雇用主としても、ランダムな人を雇うより、信頼できる知り合いの中から見つけたいと考える人が多いようです。
仕事をゲットするために必要な英語力
必要な英語力は仕事の内容により、人と話す機会が多いほど高い英語力が必要とされます。
例えば清掃やキッチンでの皿洗いなどは、一人でもくもくと作業をする時間が長いため、高い英語力がなくても問題がありません。
しかしウェイトレスや小売店のスタッフなどは顧客と話す機会が多く、様々なアクセントや話し方の人とコミュニケーションをとる必要があります。
特にお店が混んでいるときは素早く対応しなければいけないため、一人のお客さんとの会話につまずくとお店が回らないなんてことも。
そのため顧客やスタッフ同士でのコミニュケーションが必要な職場で働くには、TOEICなら800点以上、IELTSなら6.5以上は欲しいところです。
しかし英語の点数を見て判断されることは少なく、面接やトライアルの内容でお店の業務ができそうか見られるというパターンが一般的です。
オーストラリアで働きながら留学するメリット
費用の負担が減る
留学生が働く一番の理由はやはり、費用を稼ぐことです。
日本円で資金があったり、仕送りをもらっていても、円安の影響を受けてしまうこともあります。
しかし安定的に現地での収入があれば、円安に影響されることなく資金を賄うことも可能です。
英語で働く経験ができる
英語で働く経験を得ることで、卒業後にオーストラリアまたは他の英語圏で働きやすくなります。
オーストラリアと日本では労働文化も異なる部分があるため、現地の働き方に慣れておくことは重要です。
さらに教科書からは学べない、実践的な英語力を養うことができるのもメリットと言えます。
学校とは違うコミニュティができる
働き先では学校とは別の、社会的なコミニュティを持つことができます。
年齢、国籍、興味が様々な人と会うことができるので、よりオーストラリア社会に馴染むことができるでしょう。
オーストラリアで働きながら留学するデメリット
デメリットとしては、アルバイトに集中するあまり、勉学が疎かになってしまうことがあげられます。
その結果、出席率が落ちたり、単位を落としたりなど本来の目的とは異なる留学生活になってしまうかもしれません。
シフトを調節したり、勉強する時間を決めるなどして、勉強と仕事を両立できるようにしましょう。