看護留学の費用|まずは総額の目安を知ろう
看護留学にかかる費用は、選ぶ国・プラン・滞在期間によって大きく変わります。しかし、大枠の費用感がつかめないと、留学自体を検討しにくいものです。
一般的に、語学留学を含む1年間の看護留学の場合、総額で約250万円〜500万円が目安となります。
費用を構成する主な要素は
- 学費(語学学校・看護プログラムの授業料)
- 生活費(家賃・食費・交通費など)
- 海外留学保険
- 渡航費・ビザ費用
- 試験費用(IELTS / TOEFL、※NCLEXはRN志望の場合)
これらを具体的に理解することで、無理のない資金計画を立てられます。
看護留学で必要な費用の内訳(学費・生活費・保険・渡航費など)
看護留学の費用は、多くの場合「学費+生活費」が大部分を占めます。以下に主要項目をまとめます。
| 費用項目 | 内容 | 相場(1年間の目安) |
| 学費 | 語学学校、看護師資格取得コース | 120〜250万円 |
| 生活費 | 家賃、食費、交通費、通信費など | 100〜200万円 |
| 海外留学保険 | 医療保険・賠償責任 | 10〜25万円 |
| 渡航費 | 航空券、ビザ費用 | 20〜40万円 |
| 試験関連費 | IELTS・TOEFL、NCLEX、教材費 | 5〜30万円 |
※都市や滞在方法により大きく変動 。特に、アメリカ西海岸・シドニーなど家賃が高い都市では費用が膨らみやすい傾向があります。
1年間の看護留学にかかる費用イメージ(平均相場)
ここでは、代表的な留学先のざっくり平均費用を示します。
| 国・地域 | 1年間総額の目安 | 特徴 |
| アメリカ | 350〜600万円 | 医療レベル・給与が高いが、費用も高い |
| カナダ | 300〜500万円 | 教育の質が高く治安も良い |
| オーストラリア | 280〜450万円 | アルバイト可能・学費も比較的安め |
| ニュージーランド | 250〜400万円 | 生活費が抑えやすく自然環境が良い |
「予算に合わせて国を選ぶ」、 この発想でも全く問題ありません。
国別|看護留学の費用比較【オーストラリアが人気な理由】
看護留学の行き先として、いま圧倒的に人気が高いのがオーストラリアです。理由はシンプルで、
- 学費と生活費のバランスが良い
- 学生ビザで合法的にアルバイトができる
- 日本人看護師の受け入れ体制が整っている
- 温暖な気候・治安の良さ・住みやすさ
費用はもちろん、就労チャンスとキャリアの将来性まで含めて総合的に優秀。ここから、各国の特徴を深掘りしていきます。
オーストラリアの看護留学費用と特徴【コスパ最強の王道】
オーストラリアは「費用を抑えつつ、ちゃんと看護師として働ける未来をつくれる」数少ない国。
| 1年の総額 | 280〜450万円 |
| 看護師給与 | 年収600〜850万円 |
| 就労 | 2週間で48時間まで就労可(生活費の一部を賄える) |
費用を抑えられる理由の例
- アルバイト可 → 平均時給は日本の約1.5倍以上もある
(例:カフェや介護現場で時給2,300円を超えることも) - 短期から長期まで学校選択の幅が広い
- 医療英語+看護プログラムが充実
資格取得ルートの選択肢も明確
- NCLEX不要ルートあり(条件クリアで現地看護師登録可能)
- 帰国後の日本看護師資格も活かせる
生活面の安心感も高い
- アジア食材や日本食が手に入る
- 治安良好、異文化ストレスが少ない
「留学 ≠ 贅沢」、「留学 = 投資」と実感しやすい国。はじめての海外生活にも、無理のない選択肢です。
アメリカの看護留学費用と特徴(ハイリスク・ハイリターン)
費用目安:350〜600万円|
看護師給与:年収750〜1000万円超
就労:ビザにより制限大
- 医療水準・キャリアアップは世界トップ級
- ただし学費・家賃が非常に高い
- 英語力基準も高く、準備期間が長くなることも
「大きく跳ねたい」人向けの舞台。
カナダの看護留学費用と特徴(永住視野なら強い)
費用目安:300〜500万円
看護師給与:年収600〜900万円
強み:治安・教育レベル・永住権制度
- 英語力基準はやや高い
- 資格取得は時間がかかりがち
堅実なキャリア形成を望む人に。
ニュージーランドの看護留学費用と特徴(費用を抑えたい人向け)
費用目安:250〜400万円
生活コスト:比較的安い
環境:少人数教育+自然豊か
- 選べる学校数は少なめ
- 英語力基準は若干高め
静かに腰を据えて学びたい人向き。
プラン別|あなたに合った看護留学の費用
看護留学と一口に言っても、目的や英語力によって必要な費用が大きく変わります。
とりあえず行くのではなく、「どのルートなら最短でゴールに辿り着くのか」を理解することが大切です。
語学留学プラン:英語力アップを目指す場合
看護資格を活かすには、まず英語力が基盤。特にIELTSやOET(医療英語試験)のスコアが求められる国が多いです。
| 期間 | 3〜12ヶ月 |
| 費用目安 | 120〜300万円 |
こんな人に向いてます
- 英語に自信がない
- 将来の選択肢を広げたい
- まずは海外生活に慣れたい
語学学校では「医療英語コース(EAP/EHP)」を選ぶことで、看護現場に直結する英語力が育ちます。
看護師資格取得(NCLEX等)を目指す場合の費用
現地で看護師として働くには、資格取得が最大の壁。その分、費用も高めになります。
| 期間 | 1〜3年 |
| 費用目安 | 250〜600万円 |
| 収入 | 資格取得後は年収 550〜900万円以上 が狙える |
- NCLEX対策コース
- ブリッジングコース(RN conversion)
- 実習(Clinical Placement)
などが含まれ、費用と時間は必要ですが、キャリアと収入のリターンが大きいルートです。
研修・短期プログラムの費用メリット
まずは短期で海外医療を体験したい ※資格不要のプラン。
| 期間 | 1〜12週間 |
| 費用目安 | 20〜80万円 |
| 内容 | 病院視察・介護施設研修・医療英語 |
メリット
- 有給休暇で行ける
- 失敗が少ない
- 今後の留学計画を立てやすい
自信をつけたい人の“お試し留学”として優秀な選択肢。
費用を抑える方法|節約できるポイントを公開
看護留学は大きな投資です。だからこそ、事前に知識を持つことで数十万円単位の費用差が生まれることがあります。信頼できるサポートを活用しつつも、重要なポイントは自ら把握しておくことが大切です。
奨学金・補助金は使える?申請ポイントまとめ
看護師は社会的ニーズの高い職業であり、対象となる支援制度は少なくありません。
利用が期待できる制度
- 自治体による留学支援制度
- 看護分野に特化した奨学金
- 返済の必要がない助成金
- 病院・大学の制度(現職者向け)
申請の際に重視される点
- 留学の目的と必要性が明確であること
- 帰国後のキャリア活用が具体的に示されていること
- 締切および応募条件を正確に把握していること
こうした制度を活用すれば、総費用を実質的に大きく抑えることが可能です。
アルバイトはできる?現地就労と収入の目安
国によっては、学生ビザでも就労が認められています。特にオーストラリアは2週間48時間までの就労が許可されています。
平均時給の目安
- カフェ・スーパー:時給2,300円以上も
- 介護施設・医療関連補助業務:時給2,000〜3,000円など
月の収入イメージ
2週間48時間 × 時給2,300円 とすると、2週間で約11万円の収入となり、留学費用の負担を抑えられる大きなポイントとなります。
費用が安い学校・都市の選び方
同じ国でも都市によって生活費は大きく変わります。特に家賃は支出の中で比率が高く、都市選びは費用管理に直結します。
例/オーストラリア
- 大都市(シドニー・メルボルン):家賃が高い傾向
- 地方都市(アデレード・ブリスベン):比較的抑えやすい
節約につながる選択例
- 学校の割引キャンペーン期間を狙う
- シェアハウスを選択する
- 公共交通アクセスの良いエリアに住む
適切な都市・学校選びにより、年間30〜60万円の節約が期待できます。
投資対効果|現地看護師として働いた場合の収入シミュレーション
看護留学が「費用に見合う価値があるのか」を判断するうえで、将来的な収入は重要な指標です。特にオーストラリアやカナダでは、海外で看護師として働くことで年間収入が日本より大幅に上回る可能性があります。
給与相場とキャリアアップの可能性
代表的な国の看護師給与水準は以下の通りです。
| 国 | 年収の目安 | 特徴 |
| オーストラリア | 約550〜900万円 | 介護・救急など専門性で昇給しやすい |
| カナダ | 約550〜900万円 | 永住権を取得できれば安定した就労が可能 |
| アメリカ | 約750〜1,000万円以上 | 医療レベル・報酬ともに世界トップクラス |
| 日本 | 約420〜550万円 | 夜勤・残業の負担が大きい傾向 |
給与が高い国ほど、能力に応じた評価制度・昇進の機会が整っており、“消耗ではなくキャリアとして働く”体験ができます。
また、多文化環境を経験することで
- 医療英語力
- コミュニケーション力
- 臨床スキル
これらの専門性が伸びるため、帰国後の転職市場でも高い評価を得やすくなります。
日本と比べてどのくらい稼げる?
費用回収の観点で比較してみます。
例:オーストラリアでRN(正看護師)として働く場合
- 年収:600万円以上
- 日本の平均年収との差:約150〜300万円
費用回収の試算(1年留学:約350万円と仮定)
- 差額200万円 × 2年 → 約400万円の回収
- 差額200万円 × 3年 → 約600万円の回収
つまり、
現地で2〜3年働くことで留学費用を十分に回収できる可能性がある
収入だけでなく、長期的には
- 資格の国際的評価
- キャリアアップ速度
- ワークライフバランス
など、生涯年収・働き方の満足度を大きく向上させる効果が期待できます。
看護留学の費用で失敗しないために
費用を抑えるだけが良い判断とは限りません。看護留学は、将来の働き方や収入に直結する長期的投資です。ここでは検討段階で押さえておきたいリスクと対策を整理します。
安さだけで選ぶと損する理由
留学費用は学校やプログラム内容に大きく左右されます。極端に安価なプランには、以下のような注意点があります。
- 看護資格取得につながらない語学コースのみとなっている
- 現場実習(Clinical Placement)が含まれていない
- 現地就労ができないビザ条件の場合がある
- サポートが少なく、結局追加費用が発生する
結果として、「費用は抑えたが、目的を達成できない」というケースが起こりやすくなります。事前に「最終的なゴール」から逆算したプランかどうかを確認することが重要です。
費用見積もりでチェックすべき項目一覧
パンフレットや見積書を見る際は、以下の項目を必ず確認しましょう。
必須チェックリスト
- 授業料に含まれる内容(教材費・入学金)
- 実習費や試験費用が追加になるか
- 生活費のモデルケースが現実的か
- 就労可否、就労が認められる時期
- 滞在費・空港送迎・サポート費の包含範囲
- 為替レートの見通し(急激な変動への対策)
- 延長時の追加費用について明示されているか
これらを事前に明確にすることで、後から想定外の出費が発生するリスクを抑えられます。 費用と成果のバランスを見極めたプラン選択が、最大の“節約”となります。
【実例】看護留学の費用モデルケース
実際にどの程度の費用が発生するのか、モデルケースを見ることでより具体的にイメージすることができます。ここでは、代表的な2つのパターンを紹介します。
英語初心者がオーストラリアに1年留学した場合
目的:英語力向上+医療英語の基礎習得
都市:ブリスベンを想定(物価控えめ)
ビザ:学生ビザ(2週間48時間まで就労可)
| 項目 | 費用目安 |
| 語学学校授業料(12ヶ月) | 140〜180万円 |
| 生活費(家賃・食費等) | 120〜160万円 |
| 学生ビザ・保険・渡航費 | 35〜50万円 |
| 総額 | 295〜390万円 |
アルバイト収入
月:約12〜16万円(年間 約130〜180万円相当)
→ 実質負担額を大幅に抑えられるケースもあります。海外での医療就労につながる第1歩として、最も選ばれやすいプランです。
経験者がアメリカで資格取得を目指した場合
目的:看護師資格取得(NCLEX対策含む)
期間:1.5〜2年
英語レベル:既に一定基準を満たしている前提
| 項目 | 費用目安 |
| 看護プログラム授業料 | 200〜350万円 |
| 生活費 | 180〜250万円 |
| 保険・ビザ・渡航費 | 40〜60万円 |
| NCLEX受験料等 | 10〜25万円 |
| 総額 | 430〜685万円 |
注意点
- 地域差が大きい(西海岸は高額になりやすい)
- 在学中の就労制限があり、収入は期待しにくい
その代わり、資格取得後は高年収・高い専門性を狙えるルートです。
看護留学の費用に関するよくある質問
看護留学を検討する際、多くの方が共通して抱える費用面の疑問についてお答えします。判断材料としてご活用いただける内容です。
アメリカに看護留学するにはいくらかかりますか?
語学準備から看護資格取得までを含めると、総額で350〜600万円が目安です。費用は都市や学校、必要な英語学習期間により大きく変動します。資格取得を目指す場合、在学中の就労が難しいことが多いため、事前資金の準備が必要です。
看護師留学は何歳までできますか?
国によっては年齢制限が存在しない場合もあります。ただし、ビザや就労制度の観点で
- 35歳前後がひとつの区切りとなる国がある
- 経験年数や最新の実務経験が求められることがある
などの条件が生じます。重要なのは、直近の職歴と目的の明確さです。
1年留学の平均費用は?
語学留学のみか、看護関連プログラムを含むかで差がありますが
- 語学留学中心:250〜400万円
- 看護プログラム含む:300〜500万円
が一般的な目安です。生活費と学費のバランスが鍵となります。
オーストラリア留学1年はいくら必要?
語学学校の場合、
- 295〜390万円ほどが想定されます
学生ビザで就労が認められているため、収入を得ながら実質的な負担額を抑えることが可能です。費用と環境のバランスが良く、最も選ばれる国の一つとなっています。
費用の支払いタイミングはいつ?分割はできる?
一般的には以下のタイミングで支払いが発生します。
- 入学手続き時(入学金・授業料の一部)
- 渡航前(残額・保険料・ビザ費用など)
- 現地到着後(家賃・生活費)
学校によっては分割払いや長期支払プランを選べる場合もあります。不明点は必ず見積段階で確認しましょう。





