オーストラリアの大学に留学するならまず知りたい、基本情報をご紹介します。
「オーストラリアの大学って日本とどう違うの?」「入学するにはどうしたらいい?」と言った疑問を持っている方はぜひご覧ください。
オーストラリアの大学の特徴
大学数が少なく、ほとんどが国公立
オーストラリア | 日本 | |
---|---|---|
国公立 | 36校 | 178校 |
私立 | 7校 | 612校 |
合計 | 43校 | 790校 |
日本には790校もの大学がありますが、国公立はそのうちの1割程度。しかしオーストラリアには43校の大学しかなく、そのうちのほとんどが国公立です。
そのため大学の教育水準は政府によって厳しく管理されており、授業のレベルも高く保たれています。
実際、世界大学ランキングには毎年オーストラリアの大学がランクインしており、授業や教授のレベル、研究内容などが高く評価されています。
1つの大学の規模が大きい
オーストラリアの大学は数こそ少ないものの、一つの大学の規模は非常に大きいです。
例えば留学生に人気のシドニー大学では約6万人の学生が在籍しており、学部数は100以上あります。比べて、日本を代表する東京大学は学生が約2万5千人で、学部数は10ほどです。
またオーストラリアの大学のキャンパスは広く、小さな街のように充実しているところもあります。クイーンズランド大学には以下の設備があり、キャンパスの中だけでも快適に生活できるほどです。
- 美術館
- 図書館
- 郵便局
- 薬局
- 託児所、幼稚園
- レストラン、フードコート、カフェ
- スポーツ施設(ジム、テニスコート、ビーチバレーコート)
- 湖
- 牧場
- フェリー乗り場やバスの停留所
さらに日本のように外大、美大、医大などの特定の分野に特化した大学はありません。ほとんどが文系から理系まで、幅広い分野のコースを提供する総合大学です。
しかし大学の中でSchoolやCollegeと呼ばれる教育機関が存在し、学部によってキャンパスが分かれていることが多いです。
留学生の割合が多い
移民大国であり、留学先としての人気も高いオーストラリアの大学は留学生数が多いという特徴もあります。
大学やコースにもよりますが、3-4人が外国人とも言われており、最も留学生数が多いとされるメルボルン大学では全体の48%が留学生です。
なぜこんなにも留学生が集まるのか、その理由には以下があります。
- 英語圏
- 教育水準や生活の質が高い
- 大学側での留学生の受け入れ体制が整っている
- 学生でもアルバイトができる
- 条件を満たせば卒業後に働ける可能性も
留学生からの人気が高いだけではなく、政府は教育を重要な産業としており、留学生を受け入れるための様々な取り組みを積極的に行っています。
3年制のため進学方法が違う
日本、アメリカ、カナダは4年制ですが、オーストラリアの大学は3年制です。
※医学部などの一部の学部を除く
4年制では最初の一年で基礎科目や教養科目を履修しますが、3年制では入学直後から各専攻の専門分野を学びます。
これには教育制度の違いが関係しており、オーストラリアでは高校2-3年生の間で大学での基礎科目をすでに取ってしまうからです。
その1年のギャップがあるため、日本の高校を卒業して直接現地の大学に入学することは難しいです。
その代わり、大学準備コースであるファウンデーションコースや、準学士と呼ばれるディプロマコースを先に卒業すれば現地の大学に進学できます。
ファウンデーションコース経由だと1年次からのスタートとなるため、大学卒業までは約4年ほどかかります。
一方、ディプロマコース経由の場合は大学2年時からのスタートとなるため、直接入学と同じく3年で卒業できます。
進学方法については以下の記事で詳しく説明しています。
入学試験が無い
日本と違って入学試験が無く、入学できるかどうかは最終学歴のGPAと英語力で決まります。
GPA | 英語力 | |
ファウンデーションコース経由 | 2.5-3.0 | IELTS 5.5-6.0 |
ディプロマコース経由 | 3.0-3.5 | IELTS 5.5-6.0 |
直接入学 | 3.5-4.0 | IELTS 6.0-6.5 |
入学試験が無いため、偏差値という基準がありません。そのかわりに、大学のレベルを比べるのに使われているのは世界大学ランキングです。
世界大学ランキングにランクインしていたり、上位にある大学はオーストラリア国内はもちろん、世界でも評価が高い大学と言えます。
またオーストラリアには名門大学を呼ぶ大学群であるG8(Group of eight)があり、その中に含まれていれば国内でもトップレベルの大学と言えます。
学費が高い
学費は非常に高く、安くても年間200万円〜300万円ほどかかります。
その理由の一つは、留学生向けの学費がオーストラリア人よりも4-4.5倍ほど高く設定されているからです。
学費は都市にある大学ほど高い傾向があり、郊外や地方にある大学は比較的安いです。さらに留学生にとっては、国公立大学よりも私立大学のほうが安い傾向があります。
予算を抑えて学士や修士を取得したいという方におすすめなのは、TAFE(州立の職業専門学校)やカレッジ(私立専門学校)で提供されているコースです。
TAFEやカレッジで取得した学位でも、ビザ申請などでは大学で取得した学位と同じ資格として見てもらえるため、留学生からも人気なオプションとなっています。
入学時期は年2回
オーストラリアの大学は2学期制のため、入学時期は2月と7月と年に2回あります。
ファウンデーションコースやディプロマコースでは年に3-4回ほど入学時期を設けているため、進学を決めてから1年も待たなければいけないといった心配はありません。
条件付きの合格がある
出願書類で必ず必要なのは成績証明書とパスポートのみです。そのため英語力が足りていない場合や、試験を受験していない場合は英語証明なしで出願することができます。
英語証明なしで合格すると条件付き合格(コンディショナルオファー)となります。
条件付き合格を受け取っていても、条件を満たすまでは入学許可証の承諾や初期費用の支払いが出来ません。
そのため、入学が確定するのはすべての条件をみたしてフルオファー(本合格)を受け取り、それを承諾して初期学費を支払った後になります。
また、まだ最終学歴となる学校を卒業していない場合なども、この条件付き合格(コンディショナルオファー)を受けることになります。その場合は卒業して成績条件を満たせばフルオファーがもらえます。
オーストラリアの大学についてよくある質問
- 学校への出願料はどのくらい掛かるのでしょうか?
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ほとんどの場合で出願料は無料ですが、大学の場合はA$50〜150ほどの出願料(審査料)がかかることがあります。こちらの出願料はクレジットカードで大学に直接お支払いしていただくもので、弊社で手数料は頂いておりません。
- 大学の出願は何校まで可能ですか?
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大学の場合は第二希望までの2校に出願し、それぞれの結果を見てから別の大学に出願するかどうかを決めることをおすすめしています。
出願から結果がわかるまでは大体2週間から1ヶ月ほどかかりますので、入学時期が迫っている場合は早めに行動をするのがよいでしょう。
- 英語力が足りないのに出願するメリットは何ですか?
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また、英語条件をクリアしてから出願しようとする方がよくいらっしゃるのですが、弊社ではまず先に出願することをおすすめしています。
その理由は時間をかけて英語力をクリアしても、成績で落とされる可能性があるからです。成績は英語試験のスコアと違い、簡単に取り直すことが出来ません。そのためまずは出願し、成績面でクリアしていることを確かにしてから英語力を上げるのがおすすめです。
- 出願後のキャンセルは可能でしょうか?その場合、キャンセル料は掛かりますか?
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オファーを受けた後でも、出願のキャンセルは可能です。また授業料を支払った後であればキャンセル料が発生しますが、支払う前であれば発生しません。
そのため、条件付きオファーレターをもらうステップまでは早めに進めておき、余裕をもって英語試験を受けたり、入学準備をするのがいいでしょう。
- 学校からオファーレターを受けた後で入学時期を変更することは出来ますか?
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可能です。英語力などの入学条件を満たせなかった場合や、状況によって入学時期を変更しないといけない場合は、学校側に伝えると新しいオファーレターを発行してくれます。
ただし授業料を支払った後の入学時期の変更には、変更料が発生する学校もありますのでご注意ください。
- 入学英語条件はTOEICでクリアすることが可能ですか?
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残念ながら、TOEICを英語力の証明として認めてくれる学校はほとんどありません。
オーストラリアの学校で広く認められているのは、IELTSやTOEFL、PTEです。そのため、TOEICのスコアしか持っていない場合は、このような試験を受けるか、語学学校の進学コースを卒業する必要があります。
また、IELTSやTOEFLの結果は「受験してからコースを開始するまでの間が2年以内のもの」としている学校が多いです。受験から時間が経っている方はしっかり確認しましょう。
- 実技試験などはありますか?
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コースによっては、実技試験などの特別な試験を受けたり、ポートフォリオを提出しなければいけない場合もあります。その場合は試験や審査の内容や受験方法などを詳しく案内させていただきます。