オーストラリアへの移住や留学を目指している人にとって、一番の心配はやはり金銭面ではないでしょうか。
オーストラリアの物価は年々上がり続けており、食費・家賃・授業料など全てに影響を与えています。渡航前から現地の滞在費・生活費について不安に思っている人も多いのでは。
そこで今回は、オーストラリアの物価事情や実際の商品やサービスの金額をご紹介。生活に必要なスーパーの食品、衣類、日用品、交通や娯楽にかかるお金について見ていきましょう。
オーストラリアの物価が高い理由とは
オーストラリアの物価は世界的に見ても高いため、日本からオーストラリアに来た人はその高さに驚くようです。
その理由の一つは、輸送費の高さにあります。海外からの物流はもちろん、広い領土に少ない人口が住んでいるため、国内の物流にも高い費用がかかってしまいます。
もう一つの理由は、売り手間での価格競争が少ないことです。人口が少ないため会社や店の数も少なく、一度ビジネスが安定すると市場をコントロールしやすいとされています。消費者としては他に店がなければ高値で買うしかなく、需要があれば売り手は高い値段をキープしたり、さらに上げたりできます。
さらに人件費にかかるお金が高いことも原因です。働き手が少なく最低賃金も高いため、労働者を得るには高い賃金を払う必要があります。そのため、レストランやカフェなどの外食にかかる費用は日本と比べて高いです。
都市によって物価は大きく変わる
上の表はexpatistanによる、2022年のオーストラリアの都市別物価ランキングです。
※Price Indexはプラハを元として比べた時の値です。(191=プラハより91%高いということ)
グラフをみると一番高いのがシドニー、メルボルン、キャンベラ、ブリスベンなどの都市となっています。
反対に安いのがウーロンゴンやタウンシヴィルなどの地方で、一位のシドニーとタウンシビルは大きく差が開いています。
【2022年】実際の商品と値段を見てみよう
食材
家賃の次に高い生活費といえば、食費ですよね。留学やワーホリで来る人は特に、スーパーの食材の値段が気になるのでは?
地域色の強いスーパーが混在する日本と違い、オーストラリアで有名なのはColes、 Woolworthsの2つのみ。他にもスーパーはあるのですが、この2つは値段が安めでどこにでも店舗があるので最も一般的です。今回はColesの食材の値段から物価を見てみましょう。
同じ食材でも種類によって値段は異なりますが、グラフでは最も安いものを紹介していきます。
※日本円換算は$1=92円で換算し、小数点以下切り捨て
食パン | 650g | $1.55(142円) |
米 | 1kg | $1.40(129円) |
牛乳 | 1L | $1.35(124円) |
卵 | 12個 | $4.2(387円) |
じゃがいも | 140g | $0.56(51円) |
りんご | 170g | $0.66(60円) |
とまと | 110g | $1.09(100円) |
豚肉 | 1.25kg | $13.75(1,269円) |
牛肉 | 1.3kg | $23.40(2,160円) |
サーモン | 250g | $7.38(681円) |
パン
一番安いプレーンな食パンだと$2以下、フランスパンや食パンに穀物が入ったようなものは3ほどです。一つがかなり大きく、一人暮らしだと食べきれず腐らせてしまうことも。量を考えると日本よりも安いと言えますね。
米
お米もいくつかの種類が売っており、一番安いのはLong Grain。しかしこれは日本のお米と異なり、パサパサとしていてすぐに乾燥してしまいます。日本のお米に近いものはSushi Riceという商品ですが、$4.5と高めです。
乳製品
1Lの牛乳は$1.35〜1.5ほど。ラクタスフリーミルク、豆乳、オーツミルク、アーモンドミルクは牛乳より少し高く、$1.6〜2.15ドルほどです。農業大国なだけに乳製品は日本より安く、バターは250gで$3.45、ヨーグルトは1kgの大容量で$3.45です。
卵
ケージで飼育された鶏の卵は$4.2、フリーレンジといって放し飼いで育てられたほうは$4.9と少し差があります。オーストラリアでは家畜に過度なストレスや苦痛を与えることに反対する消費者も多く、値段が少し高くてもフリーレンジを選ぶ人が多いよう。
野菜・フルーツ
野菜やフルーツの値段は日本と同じくらい。パックに入っているものもありますが、基本的には量り売りか個別売りなので、必要な分だけ買うことができます。普通のスーパーでもオーガニックの野菜コーナーが別にあり、通常コーナーに引けを取らない種類があります。
肉
鶏肉は600gで11.4、豚肉は1.25kgで13.75、牛肉は1.3kgで$23.4ほど。骨付きで大きな塊が売られていることが多く、日本のような細切れや薄切りは売っていません。
ベーコンは200gで$5.0、ソーセージは550gで$6.6と加工品は比較的安いです。
魚介類
魚介類は日本より種類が少なく、価格も高め。オーストラリアには魚介類を食べる習慣がもともと無かったことがあり、日本ほどは売られていません。スーパーの魚介コーナーは小さく、設置すらされていないことも。売られている魚はサーモン、えび、バサ、鯛などです。しかしフィッシュマーケットでは種類が多く、安くて新鮮な魚が買えます。
外食
ビックマックハンバーガー(s) | $6.40(590円) |
フライドポテト(s) | $2.40(221円) |
ブリトー(r) | $12.50(1,154円) |
アジアン料理のランチボックス | $10.0-15.0(923-1,385円) |
サーモンアボカド巻き寿司(1ロール) | $4.20(387円) |
マック
日本でも有名なファストフード、マクドナルドはオーストラリアでも大人気。他の外食と比べても安く、手軽に注文できるのでお店の前にはよく人が並んでいます。
ケバブ
帰りが遅くなった時、安くて美味しいものを手軽に食べたい時にちょうどいいのがケバブ。多くのレストランやお店が早々に閉店する中、ケバブ屋さんは0時まで開いていることもあります。値段もお手頃でテイクアウトもしやすい形状なので、移動しながら食べている人をよく見かけます。
アジアン料理のテイクアウェイ
アジア料理のテイクアウェイも比較的安く、$10-15で売っています。おかず、野菜、主食が容器にまとめて売られており、お弁当のような見た目。栄養バランスもばっちりです。
寿司
オーストラリアにはテイクアウト専門のお寿司屋さんが多く、都市ならどこにでもお店があります。1個からでも買うことができ、紙袋に包まれて提供されるので、日本のスタイルとの違いに驚くかもしれません。
カフェ(シドニーのカフェ)
コーヒー(R) | $3.8(350円) |
ジャムトースト | $5.0(461円) |
サラダ | $14.5(1,339円) |
サンドイッチ | $13.5(1,246円) |
お店によって値段は変わるものの、コーヒーの値段はレギュラーサイズで$4-4.5ほど。豆乳やオーツミルク、アーモンドミルクなどのミルクの変更、ダブルショットなど追加ですると$0.5-$0.7ほど加算されます。
サンドイッチやトーストなどのシンプルな食事メニューは$5ほど、お皿で食べるようなしっかりとした食事となると$15-20ほどです。
レストラン(シドニーのレストラン)
カルボナーラパスタ | $15.0(1,385円) |
チキンリゾット | $15.0(1,385円) |
ピザ | $16.0(1,477円) |
サラダ | $10.0(923円) |
カクテル | $17.0(1,570円) |
ラーメン | $15.0(1,385円) |
うどん | $13.0(1,200円) |
平均的なランクのお店で食べる一食の値段は$15-20ほど。ランクの高い高級なお店で食べるとなると最低$30-40はかかります。日本食レストランで定食を食べると$20-25ほどと、日本と比べると高価であると言えます。
洋服
kマート | Tシャツ | $3.0-4.5(277-415円) |
ジーパン | $22.0(2,031円) | |
セーター | $15.0-20.0(1,385-1,846円) | |
cotton on | Tシャツ | $20.0(1,846円) |
ジーパン | $50.0-80.0(4,617-7,387円) | |
セーター | $40.0(3,693円) | |
ユニクロ | Tシャツ | $20.0(1,846円) |
ジーパン | $50.0(4,615円) | |
セーター | $49.0-59.0(4,523-5,446円) |
安く買いたいなら、生活に必要なものがなんでも揃う「Kマート」や古着屋さんがおすすめです。質はそこまで高くないものの、他のお店より格段に安く洋服が手に入ります。
日本でいうGUのような若者向けの洋服屋は「cotton on」「sports girl」など。日本の「ユニクロ」も人気で、ショッピングセンターや繁華街ではよくあります。しかし日本で売られている価格よりも高め。
交通(NSWの場合)
バス | 0-3km | $3.20(295円) |
トラム | 0-3km | $4.00(369円) |
電車 | 0-10km | $3.79(349円) |
フェリー | 0-9km | $6.43(593円) |
オーストラリアで使える公共交通手段にはバス、トラム、フェリーがあります。
カードの種類や乗る時間帯などで割引が適用される場合もありますが、以下には通常の大人料金を紹介します。
日用品
トイレットペーパー | 40個入り | $3.80(350円) |
シャンプー | 400ml | $2.0-4.0(184-369円) |
歯ブラシ | 1本 | $2.0(184円) |
化粧水 | 400ml | $2.0-3.0(184-276円) |
ゴミ袋 | 大40袋入り | $2.30(212円) |
風邪薬 | 12錠 | $3.30(304円) |
日用品はスーパー、Kマート、ターゲットといったお店で買うことができます。
タバコとアルコールが高い
タバコやお酒などの嗜好品は高い税金が課せられており、日本と比べるととても高いです。
オーストラリアは世界的に見てもたばこの高い国と言われています。20本入りの一箱の値段は最低$27ほどで、高いものは$50もします。その値段は年々上がり続けており、喫煙者にとっては厳しい国といえます。
お酒は330mlの缶ビールで$3.00-5.00から、ワインは$4.00-5.00からといった感じです。
バーに行って飲むとさらに数ドルプラスされますが、ハッピーアワーとよばれる時間に行くと安く飲めます。日本のようにスーパーやコンビニでは売られていないため、アルコール専門店に行く必要があります。
物価の高いオーストラリアで暮らすコツ
オーストラリアに来た留学生のほとんどはその物価の高さに驚きます。
確かに日本と比べてしまうと、全ての物が高くストレスに感じてしまうのではないでしょうか。
しかし、自炊をしたり、セール時に買い物したり、中古品を買うことで大幅に生活費を節約することができます。
さらにオーストラリアは給料が高く、2022年7/1以降の最低時給は$21.38です。そのため多くの留学生はアルバイトをして生活費や学費の足しにしています。オーストラリアのお金を稼げるようになれば、円安などの影響を受けることもないので、経済的にも楽になるはずです。
物価が高くても幸せ?その理由は
物価や生活費が高いオーストラリアが、それでも移民や留学生に人気な理由はそのライフスタイルにあるのではないでしょうか。
オーストラリアでは仕事と私生活、街と自然のバランスがとれており、生活の質が高いとされています。
さらに人口密度が低いため、都市でもある程度のスペースがあり、ゆとりをもって暮らしたいという人にも人気です。
のんびりとした豊かなライフスタイルに価値を感じる人は、オーストラリアがぴったりかもしれません。
オーストラリア生活の準備をしよう
現地での生活費がどれくらいかかるか知り、現地に行ってから困ることのないようにしましょう。オーストラリア留学について分からないことがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。