PTEとは
PTE(Pearson Test of English)はイギリスの教育サービス企業、Pearson Educationが運営する英語試験です。
TOEFLやIELTSのような世界的に認められている英語試験で、英語を母国語としない人々の英語能力を測るために作られました。
PTEを受験して得たスコアは以下の場面で使用できます。
留学:多くの大学や教育機関は、PTEを留学生の英語能力を評価するために使用しています。特にオーストラリア、ニュージーランド、カナダなどの英語圏の国々で広く受け入れられています。
移民:英語圏への永住や市民権取得の申請において、英語能力を証明するためにPTEのスコアが要求される場合があります。
職場での就労証明:英語が公用語として使用される職場では、PTEのスコアが求められることがあります。特に国際的な企業や多国籍企業では、従業員の英語能力を測定するためにPTEが採用されることがあります。
PTEはTOEFLやIELTSと比べると新しいため、まだ知名度は低いです。
しかしPTEは世界的に認められており、特に以下の国々では広く受け入れられています。
- オーストラリア
- ニュージーランド
- カナダ
- イギリス
- アメリカ
- アイルランド
- シンガポール
- 香港
- 日本
PTEの種類
PTEにはアカデミック英語を測るためのPTE Academicと、一般英語を測るためのPTE Generalがあります。
より多くの英語圏で受け入れられていることと、試験回数が多いことからPTE Academicのほうが知名度は高め。そのため一般的にPTEというとPTE Academicを指していることが多いです。
PTE Academic
英語圏で学ぶ留学生に向けて作られたもの。
Academicという名前ですが、教育機関でしか受け入れられないという訳ではありません。オーストラリアとニュージーランドでは教育機関はもちろん、ビザの申請時にもこちらの試験の方が受け入れられています。
受験日が多く、ほぼ毎日テストセンターで受験することが可能です。
PTE General
こちらも就学や就業時に提出する英語試験として受け入れられています。しかしPTE Generalを受け入れているのは英語圏ではないヨーロッパの国々が多いようです。具体的な例としてはチェコ、ギリシャ、イタリア、ポーランド 、スペインなどが挙げられます。
PTEよりも受験日が少なく、年に3回ほどしかありません。
PTE Academicの概要
測定技能 | 4技能 リーディング、リスニング 、ライティング、スピーキング |
テスト形式 | コンピューターベース 回答はタイピングかマイクへの録音で行う |
採点形式 | AIが採点 |
スコア | 10-90 |
受験会場 | テストセンター 日本では東京、大阪のみ |
試験日 | 360日以上/年 |
試験時間 | 2-3時間 |
受験料 | ・$410 AUD(オーストラリアで受験) ・$225 USD(日本で受験) |
スコア有効期間 | 2年 |
結果が分かるまで | 48時間以内 |
PTE Academicの試験内容
スピーキング&ライティング
このパートは54~67分で、テストの中で最も長いセクションです。アカデミックな環境で耳にするような英語を使って、スピーキングとライティングのスキルが試されます。
1.自己紹介
PTEの試験機器に慣れるためのセクションで、スコアには影響しません。
2.音読
画面に出題される文章(60文字程度)を音読します。
3.復唱
音声で聞いた文章を復唱します。
4.画像の説明
画面に出題される画像について詳しく説明します。
5.講義の要約
講義を音声で聞くか動画で見た後に、その内容を要約します。
6.短い質問回答
質問を聞いた後に、簡単に短く回答します。
7.文章の要約
画面に書かれた文章を読み、その要約を1文で書きます。
8.エッセイ
出題されたトピックについてのエッセイを200-300文字程度で書きます。
リーディング
このパートは 29~30 分の長さで、5 つの異なるタイプの問題が出題されます。
1.空欄補充
空欄を含む文章が出題されるので、選択肢から当てはまる言葉を選びます。
2.複数選択肢
文章を読んだ後に問題が出され、複数の答えを選択肢の中から選びます。
3.文章の並び替え
ランダムに配置された文書を正しい順序に直します。
4.空欄補充
1と似たような問題で、空欄を含む文章に適する言葉を入れます。
5.単一選択肢
文章と質問が出題され、答えとして最も当てはまる選択肢1つを選びます。
リスニング
リスニングセクションは30~43分で、8種類の問題が出題されます。
問題は、自動的に再生される音声または動画に基づいたものです。すべて1回ずつ聞くことができ、メモを取っても大丈夫です。
1.音声を聞いて要約
50-70語程度の音声を聞き、その要約を書きます。
2.複数選択肢
音声を聞いてから、その内容に関する質問が出題されるので、当てはまる選択肢を複数選びます。
3.空欄補充
画面に空欄を含むスクリプトが表示されます。録音を聞いた後に欠けている単語を空欄に入れます。
4.5.正しい要約を選ぶ
音声を聞いた後、要約として最も当てはまるものを選択肢から選びます。
6.音声を聞いて足りない言葉を選ぶ
音声を聞いた後に欠けていた言葉を選択肢の中から選びます。
7.間違った言葉を探す
音声のスクリプトが画面に表示され、音声が読まれるので、音声とスクリプトで異なる部分を回答します。
8.口述筆記
音声を聞いた後にその文章をそのまま入力します。
他の試験よりもPTE Academicを選ぶ5つのメリット
AIが採点
IELTSでは3-4人の試験管がスピーキングやライティングを採点し、TOEFLでは人間とコンピューターの両方が採点します。
一方、PTEでは100%をAIが採点し、独自の自動採点システムによってスコアがつけられます。
そしてその採点システムは、120以上の母国語を持つ1万人以上の学生のデータサンプルをテストすることによって作られています。
人が採点に関わらないため、結果がより客観的で公平であると言えるでしょう。さらに試験時間やスコアが届くまでの時間の短縮にもつながっています。
試験時間が短い
IELTSではスピーキングセクションを面接官と行うため、30分程度の待ち時間が発生します。そのため試験が終わるまでは半日ほどかかります。
しかしPTEはそのような時間が少ないので、試験による拘束時間が少ないのもメリットです。
受けたい時にすぐに受けられる
TOEFLやIELTSの試験日は4-5回/月ほど。一方でPTEの試験日は360回/年以上あります。
受けたい時にいつでも受けられるので、自分のスケジュールに合わせられるのがいいですね。さらに急にスコアが必要になってしまった時にもおすすめです。
前日まで申し込める
TOEFLやIELTSが数週間前から申し込まなければいけないのに対し、PTEはテスト当日の数日前でも申し込むことができます。
※受験者数やテストセンターの状況によっては前もって申し込む必要があります。
スコアが早く届く
TOEFLやIELTSはスコアが分かるまで4-10日かかります。
しかしPTEではほとんどのケースで48時間以内に結果を見ることができます。
結果が早く分かれば、留学や移住などのその後の計画を早く立てることができますね。
PTE Academicを選ぶデメリット
受験会場が少ない
TOEFLやIELTSは日本の各都市や一部地方で受けることができます。
しかしPTEは受験会場が少なく、日本では東京と大阪のみとなっています。そのため、地方に住んでいる方が受けたい場合は、長距離移動が必要となります。
教材が少ない
PTEは新しい試験で、特に日本での知名度が低いため、日本語での教材がほとんどないというデメリットもあります。
そのためPTEを勉強する際は英語で書かれた教材を使用することになるでしょう。
PTEの勉強法
まずはPTEの試験形式を知ることから始めましょう。各セクションのルールや要件、出題形式などをチェックします。
PTEの公式ウェブサイトやオンラインで提供されている模擬テストを受けましょう。模擬テストを最後までとっておきたいという方もいますが、模擬テストの結果を分析し、自分の弱点や改善すべき点を早い段階で特定するのがおすすめです。
模擬テストで自分の現在の実力が分かったら、目標スコアまでにかかる時間を考え、計画を逆算して立てましょう。1日の勉強時間や問題数など、具体的な数字を決めるといいでしょう。
スピーキング
PTEではゆっくりと抑揚のない英語で話すと、機械が英語として認識しない可能性があります。ネイティブの音声を元に採点されるので、リズムよく流暢に話すことを心がけましょう。
ライティング
PTEでは瞬発的に文章や音声を理解し、短文で答えを書く力が重視されます。また要約問題も多いので、日頃から読んだ内容を脳内でまとめるといった癖をつけるといいでしょう。
リーディング
PTE Academicを受ける場合は特に、大学で使うような英単語を理解する必要があります。またざっくりと理解するのではなく、細かい意味合いまで理解できるようにしましょう。
リスニング
短文や長文のリスニング、写真やグラフの解釈、会話の理解など、さまざまな種類の問題に慣れ、苦手なものがあれば集中して練習しましょう。
英語力はもちろん、テストのテクニックやタイムマネジメントの管理について学ぶことも大切です。またスピーキングセクションでは録音で回答するので、携帯などで録音して声がクリアに聞こえるかどうか確かめるのもいいでしょう。