OSHCとはオーストラリアに学生ビザで留学する場合には必須となるもの。OSHCに加入していないと、学生ビザの申請ができません。
今回はOSHCのメリット、適用範囲、治療費の請求方法などについて詳しくお伝えします。
OSHCとは?
OSHCとはOverseas Student Health Coverの略称で、海外留学生健康保険のことです。
オーストラリアに学生ビザで滞在する場合はこのOSHCに加入することが義務化されており、OSHCなしでは学生ビザを申請することができません。
オーストラリアにはメディケアと呼ばれる国民医療保険がありますが、留学生はこれに加入できないため、変わりに作られたのがこのOSHC。
制限内であれば、滞在中のケガや病気の治療費や入院費をカバーすることができます。
OSHCの適用範囲
各保険会社によって差はありますが、基本的には病院内(一般開業医)での治療の場合100%がOSHCでカバーされます。ただし病院以外(専門医)での場所の場合医療費の85%までとなります。
また、処方箋につきましては、1処方箋につき最大$50、シングルの場合は年間最大$300、ファミリーの場合は年間最大$600までとなります。
※内容は保険会社によって随時変更がある為、上記はあくまで目安です。
OSHCの適用対象外
OSHCは最低限の範囲をカバーしているため、範囲外のものを知っておく必要があります。
一見適用されそうな歯科医療、理学療法、メガネ、コンタクトレンズなどはOSHCで一切カバーされませんので、注意が必要です。特にオーストラリアでは歯科治療にかかる費用が高く、保険もかからないため、渡航前に歯の治療を済ませるのがおすすめです。
また医療上必要であるとみなされないため、人間ドッグや美容外科手術、自然療法も適用外です
OSHCにかかる費用
OSHCにはシングルとファミリーがあり、自分一人で留学する場合はシングルでの加入になります。
保険の費用はシングル、ファミリーによっても変わってきますが、シングルで1年間のOSHCに加入すると$500-700程度になります。※毎年のように価格は変化します
OSHCの期間
OSHCは、学生ビザの発給予定の期間分加入する必要があります。
治療費の請求方法
OSHCではまず、ご自身で病院での支払いを済ませる必要があり、それからカバー分を保険会社に請求しなければいけません。
治療費を請求する方法は郵便、窓口、オンラインなどがありますが、一番簡単で早いのはオンラインです。
登録しているOSHCの保険会社のwebサイトにアクセスし、ログインして、請求内容や病院からもらったレシートなどをアップロードします。
請求が認められると、登録している銀行口座にカバーされた分の費用が振り込まれるという流れです。
保険会社提携の病院
各保険会社が提携している病院で受診した場合は、病院が直接保険会社に医療費を請求してくれるという、キャッシュレスサービスを行っています。
病院に行く前に、どの病院が自分の保険会社と提携しているか確認するとよいでしょう。
OSHCを提供する主な会社
以下がOSHCを提供する主な保険会社です。費用やサービス内容、保険の適用内容には会社によって若干の差がありますので、公式サイトを見て比べてみましょう。
Medibank
Allianz
Bupa
NIB
OSHC world care
OSHCと一般海外旅行保険の違い
OSHCと一般海外旅行保険の違いは、適用範囲の広さです。
OSHCでは最低限の医療費をカバーしますが、海外旅行保険では盗難や破損、援助者費用、不動産損害なども対象になっています。さらにOSHCでは基準額が定められており、医療費が高額になった場合、差額は自費となります。
海外旅行保険はその点、カバーの範囲や負担額が大きいので、心配な方にはおすすめです。
長期の留学になると、短期の旅行と違いケガや病気になる確率も高くなるため、保険費用が高くなりがちです。しかし上記の理由から、OSHCに加えて海外旅行保険に加入する方もいます。
また、OSHCは現地の保険会社が提供していますので、保険請求や問合わせはすべて英語で行わなければなりません。英語上級者でも、医療英語になると難しく感じる、といった方も少なくないはずです。
日本から加入する海外留学生保険は、日本語のカスタマーサービスをご利用いただける保険会社が多いので、いざというときに日本語で相談できるというメリットもあります。