オーストラリアは日本と比べるとリラックスしたイメージが強い国だと言えますが、日本よりも祝日が少ないと知っていましたか?
今回はオーストラリアの祝日にはどんなものがあるのか、どのように過ごすのかをご紹介します。
1月1日 New Year’s Day/ニューイヤーズデー
日本と同じく元旦は祝日。しかし大晦日は平日のため、働いている人を見ることも珍しくありません。
家族で集まる日本のお正月とは違い、オーストラリアや欧米圏でが大晦日から元旦にかけては恋人や親しい友人と過ごす人が多いです。大晦日の夜になると、都市部では盛大な花火大会が開かれ、シティのパブやクラブも賑やかになります。
深夜までお酒を飲んだり仲間と楽しみながら過ごし、翌日の元旦はゆっくりして疲れを癒すのが定番の過ごし方です。
移民が多いオーストラリアでは家族が海外にいる人も多く、クリスマスから年末年始にかけて遠くにある実家に帰る人も多くいます。
1月26日 Australia Day/オーストラリアデー
この日は日本でいう建国記念日。1788年にイギリスのアーサー・フィリップが、現在のシドニー湾に旗を立てて、当時の大英帝国の植民地であることを宣言したことから来ています。
当日は建物や住宅街など、至る所にオーストラリアの国旗が掲げられ、オーストラリアの国旗がペイントされた衣装を着る人たちもいます。またオーストラリアの国民的菓子、ラミントンケーキを食べるという習慣もあります。
一方でこの日をオーストラリア・デーと呼んで祝うことに反対する人も多いです。オーストラリアにもともと住んでいた先住民にとっては、イギリスに占領された日。迫害や差別を受けてきた彼らにとっては、悲しい日であって楽しく祝えるものではないからです。
当日はオーストラリアの建国を祝う人たちと、祝日に反対するデモをする人たちを同時に目にするという、少し考えさせられる日です。
3月~4月 Easter/イースター
日本ではあまり馴染みがありませんが、イースターはキリスト教徒にとってはとても大切な日。十字架にかけられ亡くなったイエスキリストが3日後に生き返ったことを祝うイベントです。
イースターの日にちは月の満ち欠けを基準として決められているため、毎年祝日の日付も異なります。Good Friday(金曜日)、土曜日 (Holly Saturday/Easter Eve)、日曜日 (Easter Sunday)、月曜日 (Easter Monday)という4日間の休みとなっており、大型連休の一つです。
時期的にも、日本でいうゴールデンウィークのような感覚ですね。
伝統的には家族と食事をしたり、イースターチョコを渡したり、綺麗にペイントされた卵を探すエッグハントをする慣習があります。シドニーやメルボルンなどの都市では、ロイヤルイースターショーという一大イベントがあり、イースターにちなんだパフォーマンスや屋台、遊園地などが楽しめます。
4月25日 Anzac Day/アンザックデー
アンザックデーとは、戦争や紛争で国のために命を失った兵士を称える追悼の日です。
第一次世界大戦の最中であった1915年4月25日、オーストラリア・ニュージーランド連合軍(ANZAC)はトルコのガルポリに上陸。その後8ヶ月間におよぶ上陸作戦が展開され、8,700名以上の兵士が命を落とす激戦となりました。
アンザックデーとは元々、この戦いを記念して作られたものですが、現在では戦争で命を落とした全ての人たちや、残された人たちを悼むという日になってきています。
当日は亡くなった戦没者の追悼や退役軍人の同窓会、現役の軍人の慰問が行われ、パレードや式典には多くの軍人が参加します。追悼や式典が終わるとパブなどで飲む人たちも多く、軍服を来た人たちで賑わっている様子が見られます。
ポピーの花はアンザックデーの象徴とされており、街を歩けば様々な形で飾られているのを目にするはず。
6月 Queen’s Birthday/クイーンズバースデー
クイーンズバースデーとは、イギリスのエリザベス女王(Queen Elizabeth II)の誕生を祝う日。
誕生日ならどの州も同じ日のはずと思うかもしれませんが、州によって6月、9月、10月などバラバラな日に設定されています。しかも実際のエリザベス女王の誕生日は1926年4月21日。
どうしてこんな矛盾が起きるのかというと、イギリスでは実際の誕生日とは別に、公式に祝うための誕生日を別に持つことがあるからです。他の祝日との兼ね合いや、パレードが行いやすい日など、便宜上の理由で好きな日に設定できてしまうということですね。そしてエリザベス女王の公式な誕生日は、18世紀頃の国王ジョージ三世の誕生日である6月の第2土曜日に設定されています。
そのため、オーストラリアのNSW州などではイギリスと同じく、6月の第2土曜日と決められている訳です。
しかしQLD州やWA州では9月や10月に決められる場合もあり、その理由は他の祝日との兼ね合いで、ひと月に祝日を集中させないためのようです。
「誕生日のお祝いなのにそんなに勝手でいいの?」と考えてしまうかもしれませんが、自由に誕生日を決めてしまうのは面白いですよね。
12月25日 Christmas Day/クリスマス
日本でもお馴染みのクリスマスですが、オーストラリアや欧米圏ではお正月のようなイメージが近いです。
日本では恋人の日というイメージが強いですが、オーストラリアでは家族で集まり、食事をしたりゆっくり一家団欒します。
クリスマスは一年で一番大きな祝日と言え、クリスマス前から長期休暇をとり、遠くに住む家族に会いにいく人が多いです。特にオーストラリアは家族が海外にいる場合も多く、海を超えて帰省する人たちもたくさんいます。
オーストラリアは日本とは真逆の気候であるため、クリスマスは真夏。炎天下で見るクリスマスツリーやデコレーションは、少し場違いに感じてしまうかもしれません。
しかし真夏のクリスマスならではの楽しみもあり、野外でバーベキューしたり、ロードトリップに行ったり、サンタの帽子を被ってビーチに行く人もいます。
クリスマス料理といえば、ビーフシチューやローストチキンなど、体を温めるものやこってりとした食べ物が定番ですよね。しかしオーストラリアではエビやオイスターなどの海鮮を食べる人が多く、朝早くからフィッシュマーケットは多くの人で賑わいます。
12月26日 Boxing Day/ボクシングデー
ボクシングデーとは年末の大セールが行われる日。日本の福袋や初売りのように、大勢の人がショッピングセンターに訪れるため、駐車場が渋滞したり、入場規制をするところもあります。
当日はクリスマスで売れ残ったものが大幅割引されていたり、ボクシングデーのために準備された特別な商品が売られていたりします。
一年を通じて一番大きなセールなので、年末に欲しいものがあってもこの日まで待つ人も多いです。
ボクシングと聞くとスポーツが思い浮かびますが、全く関係ありません。ボクシングデーの由来については様々ありますが、元々は使用人や商人、貧しい人たちに贈り物が渡されたことがきっかけという説があります。
クリスマスに働かなければいけない人たちはその翌日である26日に休めるので、その苦労をねぎらうために始まったとか。Boxingはプレゼントを箱に詰めるという意味があるので、その名前にも納得ですね。