オーストラリアの大学への進学というと、とても優秀な人しかできないと考える人もいるはず。
しかしオーストラリアの大学は海外からの学生を多く受け入れており、日本のような入学試験はないと知っていましたか?オーストラリア大学の入学条件について知って、人生の選択肢を広げましょう。
オーストラリアの一般的な大学情報
就学期間 | 3年 (コースにより4年間~) |
学期 | 2学期制(1学期は4ヶ月間)または3学期制(1学期3ヶ月程度) |
入学時期 | 【2学期制】2月、7月 【3学期制】2月、6月、9月 |
入学試験 | 無し(過去の成績、英語力審査) |
費用 | 300〜400万/年(理系・私立は200~500万) |
学生数 | 全体の約20%は留学生 |
授業のスタイル | レクチャー(講義を受ける)、チュートリアル(問題演習や議論)の2つ |
オーストラリアの大学の一般的な就学期間は計3年(コースによっては4年間かそれ以上)と、日本と比べて1年短め。
しかしこれは日本の大学の1年目で学ぶ「教養課程」をオーストラリアでは高校2~3年生で学んでしまうからです。そしてこの差を埋めるために、大学に進学する留学生には知識を補うためのコースである、ファンデーションコースが用意されています。
また入学できる時期は2回(大学によっては3回)あるため、一度入学の機会を逃してしまっても丸一年も待つ必要がありません。
進学のパターンと合格基準
オーストラリアの大学に行くパターンはいくつかあり、どのパターンで行けるかは進学時の英語力と高校の成績によって変わります。名門大学に関しては、ファンデーションコース経由でなければ入学できないケースもありますね。
まずは難易度の順番とそれぞれの合格基準を見てみましょう。
※以下では一般的な英語力と入学基準の一例を紹介しますが、大学によって基準が異なります。あくまでも例ですので、必ず出願前に自分の行きたい大学の入学条件をチェックしましょう。
各大学の情報に間しては、まずお問い合わせください。
大学に直接進学
[平均評定]4.0以上程度
[英語力]IELTS6.0-6.5
ディプロマを経由して大学進学
[平均評定]3.2以上程度
[英語力]IELTS5.5-6.0
ファウンデーションコースを経由して大学進学
[平均評定]2.5~3.0以上程度
[英語力]IELTS5.5程度
語学学校
[入学基準]無し(その後ファンデーションコース、ディプロマコース、大学に進まれる場合はその学歴条件をみたしている必要有)
[英語力]ビギナーから入学可能
直接大学に進学する
高校を卒業してすぐに大学に進学するというのは、日本では一般的な方法ですよね。
しかしオーストラリアでは直接の進学ができる大学は限られています。なぜかというと「ファウンデーションコース」や「ディプロマコース」を経由してから大学に進学する方が一般的だからです。
また直接進学する場合は入学条件の難易度も高く、高校から直接大学に入学するには、高校での優秀な成績と高い英語力が必要とされます。
直接進学するメリットは学費や生活費の節約になることや、留学して最初の一年からネイティブの学生と授業を受けられることです。一方でデメリットは、いきなり大勢の現地の学生と同じペースで学ぶと授業についていけなくなったり、積極的に発言できなかったりすることが挙げられます。
直接進学を目指す方は、高校在学時から行きたい大学を決め、授業に真剣に取り組んでいい成績を取るようにしましょう。
英語力については、IELTSやTOEFLなどのオーストラリアの大学で認められている試験を早めに受け、求められているスコアをとっておくことが必要です。成績は足りているのに卒業までに必要な英語試験の点数が取れなかった場合は、卒業後でも勉強して点数を満たせば出願できます。
ファウンデーションコースから大学進学する
ファウンデーションコースは各大学が提供していて、留学生を対象とした大学進学のための準備コースのことです。
就学期間は8ヶ月〜1年ほどで、このコースを卒業すると希望する大学に進学することができます。レポートの作成や参考文献を読むためのアカデミック英語・基礎科目・一般教養科目などを学びます。
ファウンデーションコースのメリットは、大学に進学するための英語力や知識の基礎固めを他の留学生と一緒にできることです。大学進学前から必要なスキルを身に着けることで、スムーズに大学生活を送ることができます。
デメリットは直接進学やディプロマから進学する時よりも時間や費用がかかってしまうことです。そのため、ファウンデーションコースはまだ英語の授業に慣れない方や、大学進学やディプロマ進学に必要な英語力や成績が足りない方が通うことになります。
とはいえ、ファウンデーションコースに進学するためにもある程度の英語力や学力が必要ですが、基準は他より入学条件が低めです。英語力の低い学生にも門戸を広げている学校もあるので、アカデミック英語の基礎を身に付けたい人や、専攻分野の知識を基本から身に付けたい人におすすめです。
ディプロマコースから大学進学する
英語力や成績の条件を満たしている場合、ファウンデーションコースの代わりにディプロマコースで学んでから大学に進学することができます。
ディプロマとは日本でいう短期大学や専門学校に当たるもので、大学1年次と同等の内容を学びます。このディプロマコースで1年間程度大学で学ぶ専門科目の基礎を学び、一定の成績をとることで、大学の2年次に編入することが可能です。
ディプロマコースを経由するメリットの一つは、取得した単位を大学に進学する際に互換し、大学での就学期間を短くすることで、生活や学費にかかる費用を大幅に抑えられます。また2年次に編入できるため、直接入学と同じように3年で大学を卒業することができるのがポイントです。
一方で注意点は全ての大学でディプロマから編入できるというわけでは無いこと、進学先の大学によっては1年後期の編入となることが挙げられます。そのため、進路を決める前に綿密な計画立てが必要です。
英語力が足りない場合
英語力が合格基準に届かない場合や、英語力ゼロからスタートしたい方は語学学校に通うか、自力で勉強してIELTSやTOEFLなどの英語試験を受けるという手があります。
語学学校に通う
大学付属や提携の語学学校の進学用クラスで学び、一定の成績を満たすことで、英語試験のスコアがなくても大学に進学することが可能になります。語学学校卒業後は直接進学しか認められていない、ファウンデーション・ディプロマからしか大学進学できない、など学校によって進学先が異なることもあるので注意しましょう。
こちらの方法は英語力がなくてもできるため、英語の基礎を身に付けてから大学に進学することができますが、その分費用もかかってしまいます。
中にはIELTS等の検定試験にて条件をみたしたが、いざ入学したら英語の授業が難しかったり、実際のコミュニケーションが予想以上に難しかったりしたため、授業に思うようについていけなかったという声もこれまで少なからず聞いています。不安が有る方は英語条件をみたしていても、大学のコース開始前に進学英語コースを履修されことをお勧めしています。通常10週間単位から申し込みが可能です。
独学して英語試験を受ける
もう一つは独学して自力で英語試験を受ける方法です。高校在学中や卒業してからでも英語を勉強し、合格基準のスコアをとれば進学の基準を満たすことができます。
IELTSやTOEFLは年に何度も実施されているため、スコアを取るまで何度でも受験可能です。この方法は日本にいながら準備でき、語学学校にも通わないため費用が抑えられますが、モチベーションを保つのが難しいというデメリットもあります。
よくある質問
- いつからオーストラリアの大学に進学するのがベスト?
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留学に年齢制限はありません。大学進学というと高校を卒業した方向けと思われる方も多いですが、実際オーストラリアの大学では様々な年齢の学生がいます。
これは日本のように進学や就職に対する年齢の固定概念があまり無いことが理由です。自分の本当にやりたいことをやりたい時にすると考える人が多いため、大人になってから大学に通う人も多くいます。
年齢で留学を迷っている方は、年齢関係なく挑戦しやすい環境を選ぶのがおすすめです。
- 海外留学は日本での就職に不利と聞くけど本当?
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海外留学生が不利とされる理由は、日本の大学生とは就活のスケジュールがずれてしまうこと、会社での説明会に参加しづらいことが理由にあります。
しかし海外留学生向けの就活イベントの活用や、帰国子女採用枠を設けている会社に応募するなどの対策もできます。
また留学で磨かれたコミニュケーション力や専門知識をアピールすれば、他の学生との差別化もできます。