オーストラリアIT留学/未経験の文系からでも学べる?実際にKOIで学んだ感想

コーディングを学ぶ人のイラスト

ITはオーストラリアでの就職や永住を考えている方にとても人気のコースです。

その人気の理由はビザが取りやすいということはもちろん、労働条件が比較的良いということがあります。さらにIT職は将来的な需要も高く、世界中で人手が不足していることから、幅広い就職先があることも魅力です。

そのため、大学で文系学部を選択した人や数学が苦手な方、ITに全く関係のない職場で働いていた方でも興味を持つことが多いよう。 しかしそこで気になるのは「IT未経験or数学が苦手でも海外でIT留学できるのか?」という点ではないでしょうか?

私は日本の文系学部を卒業してからシドニーのカレッジ、KOIに入学し、bachelor of ITコースに通っています。

そこで今回は授業の内容や難易度、カレッジの雰囲気について実体験とともにお伝えしたいと思います。 これからオーストラリアでITを学ぼうか迷っている方や、IT未経験でも授業についていけるか迷っている人はぜひ参考にしてみてください。  

目次

入学前の英語力とIT知識はどれくらいあった?

英語力

留学経験はなく、英会話スクールなどにも通ったことはありませんでした。 

高校での英語の成績は普通だったのですが、大学に入ってから英会話や英語試験の勉強をしたり、外国人の友達を作ったりすることで英語力を伸ばしました。 

大学在学時にTOEICやTOEFL ITPは受験したものの、オーストラリアで広く認定されているTOEFL ibtやIELTのスコアはありませんでした。

試験料が高いのでその2つは避けてきたのですが、どうせ必要になるなら早いうちに受けておけばよかったと後悔しています。 しかし大学を卒業したときには英検準一級程度の英語力があったので、0から英語力をつける必要がなかったのは良かったです。

3ヶ月ほど試験勉強をしてからTOEFL ibtを受け、トータル88点を取得し入学条件を満たすことができました。 試験対策は苦手なWritingとSpeakingを集中的に行っていました。speakingは自己採点が難しかったので、オンライン英会話の先生にチェックしてもらっていました。

IT・数学スキル

パソコンは学校やアルバイトで使い慣れていたため、検索やタイピングなどは問題なく出来ました。

そこで入学前に少しはITを独学してみようと思ったのですが、何から始めればいいのかわからず・・。調べれば調べるほどITは広い分野だと知り、知らない単語ばかり出てきたので、これから勉強していけるのか不安になりました。

結局手当たり次第やってみることにして、オンラインの無料教材を使ってwebサイトを制作したり、javaにも挑戦しました。 初めてのコーディングはとても難しく、面倒になって途中で挫折。

今思えば、初心者なのに難しいコースや教材を選んでいたので、もっと簡単なものから始めればよかったと思っています。

結局プログラミング言語の違いすらよく分からず、ITスキルはゼロだったと言えます。

ちなみに数学は大の苦手で、センター試験の数学では合計で20点を取りました。特に計算はどれだけ練習してもできるようにならず、数学を使う仕事は一生しないと心に決めていたくらいです。  

KOIのITコースを選んだ理由

1 永住権が取得が目標だった

ITコースを選んだ理由は、bachelorの学位を取得してオーストラリアでの永住権を取得したかったというのが一番でした。

ITコースは難易度が高く、学費も多くかかります。さらに頑張って学位を取得したとしても、就職できなかったり永住権の職業リストから外れるリスクがあるのも知っていました。 しかしITの需要は世界的に高いため、オーストラリア移住が叶わなかったとしても他の国へ移住もできるのではと考えました。

また過去のアルバイト経験から、接客業や肉体労働などは向いていないと痛感していました。

一方でIT業界は労働条件がいいとされていて、フレキシブルな労働時間やリモートワーク、高い給料などを魅力的に思いました。

ところが「永住権のためだけに興味のない職業をしても続かない」と聞き、本当にITに進むべきかとても悩みました。数学は大の苦手だし、もともとITやプログラミングに興味や関心があったわけではなかったからです。

しかしIT以外の何かに強い熱意があるかと聞かれれば、そうでもありませんでした。海外移住という目標はもっていたものの、移住して何がしたいかはあまり考えてこなかったからかもしれません。

自力で永住権を取得したいという気持ちが強かったこと、IT以外といっても学びたいことが特になかったことから「とりあえずやってみよう」という考えで挑戦することにしました。

2 都市で留学したかった

留学先は地方よりは都市がいいと考えていました。 その理由の一つは、IT系の仕事の見つけやすさです。

オーストラリアに住む友達は地方でのIT職探しに長い間難航していたものの、都市で探し始めたらすぐに採用されていました。 IT会社は都市に集中しているので、未経験で就職するならなおさら求人数の多い場所にいったほうが確率が上がるのではと思いました。

地方で留学して就職すると永住権のポイントが取得でき、永住権取得の確率が上がると聞き迷いましたが、それでも仕事が見つけづらいというのは大きなデメリットに感じました。

もう一つの理由は、都市での留学生活に憧れがあったからです。オーストラリアには行ったことがなかったのですが、とにかく人がたくさん集まっていて活気があふれている場所に住みたいと考えていました。

実際シドニーは様々な国籍の人で賑わっていて、イベントや娯楽もたくさんあるので、とても楽しい留学生活を送れています。 個人的には住む場所選びは大学選びと同じくらい大事だと思います。  

3安くITの学位がとれる

都市での大学探しを始めたものの、都市になればなるほど学費が高くなる傾向があると知りました。オーストラリアの学費はただでさえ高いのに、資金もそこまでなかったので、都市の大学は経済的に厳しかったです。

そんな時に大学と同じ学位が取れるカレッジ(私立専門学校)の存在を知りました。カレッジは学費が大学より遥かに安く、ほとんどの学校が都市にあります。 さらに大学と違い、学生数が少なく、キャンパスもビルの中にあるなど規模が小さいことが多いです。

それをマイナスと捉える人もいますが、私はむしろそこが気に入りました。日本での大学を卒業した直後だったので、また1から大学でキャンパスライフを始めるというのが嫌だったからです。 中でもKOIは特に学費が安く、奨学金ももらえました。

さらに日本の大学の単位認定もされたので、その分早く安く卒業できることになりました。KOIのキャンパスはシドニーのシティにあるので、私の希望にぴったり合うカレッジでした。    

※現在KOIはニューキャッスルキャンパスもあります

実際にITコースを学んでみて

ITの経験がなくてもついていける?

学生のほとんどがITを初めて学んでいます。授業も基礎の基礎から始まるので、「経験がないからついていけない」ということはないと思います。

授業はやっぱり難しいのですが、進度としてはそこまで早くないです。ただ一回の授業が4時間もあるので、学ぶ内容はとても多いです。 授業が理解できないときはスライドを見返すのですが、一つの授業につき何十枚もあるので時間がかかります。

またすべてが英語で行われるので、難しい概念の説明や専門用語などは理解しづらいときがあります。講義の中で分からない英語が使われると、そこでワンテンポ理解が遅れてしまったり、完全に説明を理解できないこともありました。

一般的な英単語だと日本語で調べれば出てくるのですが、ITやプログラミング用語を日本語で調べると十分な情報が得られなかったり、日本では浸透していない言葉だったりもします。 そのため今では、英語力上達のためにも英語で検索するようにしています。  

ITって楽しいの?

永住権目的で学び始めたITですが、今は学ぶこと自体楽しいと感じています。

最初の学期は特にアカデミックで基礎的な内容だったため、少し退屈に感じました。そこで自分で何かを実際に作ってみたいと感じ、ITを学ぶオンラインコミュニティに参加しました。

コミニュティでは簡単なアプリやwebサイトを作ったのですが、それがとても楽しかったです。アイディアが形になっていくのが面白くて、自分の頑張りが目に見えるのでやりがいがありました。

そこからフロントエンドに興味を持ち、今では授業ではまだ扱っていないことも自分で学んでいます。後半の学期ではweb developmentやデザインに関連した授業もあるので、今から楽しみです。

「ITやプログラミングに初めから並外れた熱意を持っている人はいない。『まあやってみてもいいかな』という気持ちから『思ったよりも楽しいかも』『もう少し続けてみるか』と段階的に興味をもつのが通常」 とプロのエンジニアの方から聞いたことがあります。

勉強する前からITが向いているか、好きになれるか考えていたけど、何も知らないうちは興味も出ないのだと思います。とりあえず実際に手を動かしてやってみるのが一番だと感じました。

数学ができなくても大丈夫?

KOIでは数学も少しありますが、数学と直接関係ない授業がほとんどです。

計算が必要な授業もありますが、高校数学と比べれば簡単だと感じます。 例えば数学の授業の内容は2進法の計算やアルゴリズムが中心でしたが、高校数学のように幅広く学ぶのではなく、プログラミングと関係ある部分の数学だけ学ぶといった感じです。

半分くらいは高校で学んだ内容だったので、思い出しながら勉強しました。 計算能力より論理的な考え方を問うような問題が多く、数学の授業では試験でも電卓の使用が可能です。私は計算が苦手だったので、電卓を使えるというのはとても助かりました。

しかし、人一倍数学が苦手な意識があったので、真面目に授業を受けていたものの「単位さえ取れればいい」と考えていました。 ところが最終的なスコアはDistinctionで、思っていたよりもいい成績だったのでびっくり。友達から「数学が得意でいいなあ」と言われたのですが、今まで誰からも数学で褒められたことがなかったのでとても嬉しかったです。

他国と比べて日本人の数学能力の平均は高いと聞いたことがありますが、それを実感した出来事でした。 数学が苦手と感じている人は、クラスで数学の順位が下だったからという人が多いかもしれません。しかし世界に出れば思ったより出来るほうかもしれないし、諦める必要はないと思います。

単位を取るのは難しい?

すごく難しい訳ではないけど、簡単には取れないといった感じです。

日本の大学にいたときは授業に出席して、テスト直前に少し勉強すれば単位がとれましたが、留学後はそれが通用しないと思い知りました。 どの授業も期末テスト前の課題やプレゼンテーション、中間テストで5割の成績が決まります。期末テストでは残りの5割が決まるので、学期を通してどれだけ勉強したかが期末テストへのプレッシャーを左右します。

ある科目では中間テストで半分ほどの点数しかとれず、レポートで挽回しようと思ったものの、課題の趣旨を勘違いし大きく減点されました。 その分期末テストで高い得点を取る必要があり、テスト前はストレスが大きかったです。

結局は期末テストの2週間前から猛勉強し、単位は落とさずにすみました。 単位を落とすともう一度その分の学費を払い、同じ授業を受ける必要があります。そのため学費を抑えるには単位を一度も落とさず取るということが大事です。

私はいつも期末テストの結果が来るまで心が落ち着かず、パスしたことが分かるとやっと緊張がとけて安心します。

課題や評価の仕方は?

先ほど触れた通り、授業期間中に出される課題で5割、期末テストで5割が決まります。

通常の課題と期末テストはどの科目でもありますが、その他の配点は科目によって変わります。 大体はレポート課題+中間テスト、プロジェクト+中間テストなど2-3個の課題が課せられます。

通常の課題(10点)
毎週1つの科目につき1つ出る宿題。内容はチュートリアルの授業で完成させたものを提出したり、応用問題を各自でやってくるなど。たまに難しい問題もでるが、基本的には1-2時間で終わるような勉強量。一回の提出につき全体評価100点のうち1点を得られる。  

レポート課題(10-30点)
決められた課題にそってレポート(1000-4000字程度)を書く。個人ですることが多いが、授業によってはグループで行うこともある。文量の多さよりは、テーマにそって書かれているか、内容が充実しているか、自分の考察が含まれているかが問われる。

プレゼンテーション(5-10点)
レポートを要約したプレゼンを行う。生徒数が多いので、個人で行う場合は5分程度の短いプレゼンが多い。スライドショーを作って教師と他の生徒の前で行う。  

プロジェクト(10-30点)
プログラミングなど、実践的な内容のある授業に多い。2週間ほどの長い期間が与えられ、指定された機能をもつシステムを作る。1から自分で作るとなるとかなり難しいが、授業では似たようなプログラムの作り方を教えてくれるので、それを応用して作るイメージ。  

中間テスト(10-30点)
ほとんどの授業では選択肢形のテストが出される。学期の中間に行われるので、内容は期末テストの半分。筆記がない分、期末テストよりも簡単。しかし授業を理解していないと点数をとるのが難しい。 コーディングの授業では、時間内に指示されたシステムを作るというコーディングテストもある。  

期末テスト(50点)
授業によって異なるが、ほとんどは選択肢問題と筆記がまざったような試験。プログラミングの授業の場合は実際にコードを書く問題もある。特に難しいのはケーススタディ形式の問題で、5問の短い問題記述があるなかで自分の考えを自由に記述するもの。  

先生はどんな感じ?

KOIの先生はとてもフレンドリーで学生想いの人が多いです。

授業中に学生と先生が冗談を言い合ったりするなど、壁はあまり感じません。20人〜30人の少人数制のクラスなので、学生の名前を覚えてくれる先生も多く、学生が授業についての不満や要望を言ったときに柔軟に対応してくれます。

この間も、学生が「先生によって成績の付け方に大きく偏りがある。同じ採点基準でないと不公平ではないか」と授業中に先生に伝えたところ、次の週には全てのクラスで基準を揃えるように対応してくれました。

先生たちは多国籍で、中には強いアクセントを持った人もいます。そのため英語が理解しづらく、授業を理解するのが大変だと言っているクラスメイトもいました。 確かにアクセントはあるのですが、ネイティブではない先生はゆっくり話す傾向があるので、私自身は特に問題ありませんでした。  

しかし稀にあまり熱意の感じられない先生もいて、授業がつまらないと感じることもあります。

クラスメイトはどんな感じ?

他の専門学校と同じように、KOIにいる学生はほとんどが留学生で、現地のオーストラリア人学生は見たことがありません。

国籍はネパールが一番多く、他にはパキスタン、インド、ブラジル、フィリピン、タイ、マレーシアなどの学生がいます。東アジア系の学生に会うことはあまりないですが、たまに中国や韓国、日本からの学生も見かけます。

授業では英語以外の言語の使用が禁止されていますが、授業が終わると様々な国の言葉が聞こえてきて、同じ国籍どうしで集まっている様子をよくみます。

年齢は20-30代が一番多いと思います。高校を卒業したてのような若い学生もいますが、大学を卒業したての人、社会人として数年働いた人、現地で数年ワーキングホリデーしていた人など様々です。

とはいえ歳を聞く場面はほとんどなく、他国の学生は見た目から年齢が予測しづらいため、お互いの年齢を気にすることはあまりありません。

学生に共通しているのは、みんな忙しくアルバイトをしているということです。生活費や学費を現地でまかなっている学生が多く、バイト先の制服のまま授業を受けている人もたまに見かけます。

仲のいい友達は数人できましたが、誰もが想像するキャンパスライフのイメージとは少し違うかもしれません。 大学ではなく専門学校としての色が強いせいか、学内のイベントや授業外での学生同士の交流はあまりないです。

学生も仲良くワイワイと楽しい時間を過ごしたいという人よりは、学位の取得とアルバイトに集中したいと考えている人が多いと感じます。  

これからオーストラリアでITを学ぶ人へ

 未経験でITを学ぶことについてポジティブなことを書いてきましたが、もちろん学んでみて楽しくないと感じる人や、難しすぎると諦める人もたくさんいると思います。

授業が難しいせいなのかアルバイトが忙しいせいなのか、学校にぱたりとこなくなるクラスメイトも実際います。 また私も少しカレッジで勉強したくらいで、まだ業界で働いた経験もないので、無責任に「ITは難しくないから未経験でも大丈夫!」とは言えません。

ただITという言葉の難しそうなイメージや、数学への苦手意識から、興味があるのに諦めてしまうのはもったいないと思います。 ネットには無料や格安で学べる教材やコースもあるので、一度簡単で楽しそうなものに挑戦してみるのがおすすめです。最初から難しい言語やコースを選んでしまうと、苦手意識がついたり挫折したりするので注意しましょう。

レクチャーを見ているだけでは飽きてしまうという人は、シンプルなプロダクトを作るコースをやってみるのもいいかもしれません。 最初から時間を忘れるほど熱中することはあまりないかもしれませんが、「思ったよりはいいかも」と感じられればきっと続けられると思います。

すでにITコースを学ぶことを決めている人へは、一回一回の授業を理解するのが重要だと伝えたいです。 授業をさぼらずに出席するというのは大前提ですが、授業をなんとなく理解したままではテストで理解していないところを突かれてしまいます。

気づけば中間テスト、レポート、期末テストが迫っているという状況がよくあり、直前の詰め込み勉強では対処するのが難しいです。 授業の理解が追いついていないと感じたら、時間を取ってこまめに復習すると後々楽になります。

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