オーストラリアインターンシップの現状|無給でも経験のためにやるべき?

就活で面接を受ける人と面接官のイメージ

オーストラリアに来る留学生やワーホリの方の中には、現地での就業経験が積みたいと考える人も多いです。

インターシップは短期間で実務経験が積めるので、そんな方たちにも人気の選択肢となっています。

しかし現地のインターシップ事情は日本と異なる点も多く、実情を知らないでいると不利益を被ってしまうことも。

今回はオーストラリアのインターンシップの特徴と注意点についてご紹介します。

目次

オーストラリアのインターンシップとは

インターンシップとは、学生や新卒者が実務経験を積むために、企業や組織で一定期間働くことです。

インターンシップをすることで専門分野での実践的なスキルを磨くことができ、将来の就職活動を有利に進めることができます。

オーストラリアのインターンシップは、留学生や外国人でも応募可能なものが多いです。

現地でインターンシップをすれば、実務経験を積むだけでなく、異なる文化やビジネス環境に慣れることができます。また、英語力を上げたり、その業界でのコネクション作りをすることも可能です。

インターンシップの期間や報酬はプログラムや企業によって異なりますが、一般的には数週間から数ヶ月の間で行われます。

インターンシップ終了後にフルタイムで採用されるというケースもあるため、現地でのキャリアを考えている方にもおすすめです。

日本のインターンシップとの違い

日本のインターンシップはほとんどが大学生を対象としていますが、オーストラリアのインターンシップは社会人や留学生でも応募できるものがあります。

さらに、インターンシップの期間にも違いがあります。

日本では数日〜1ヶ月程度の超短期型のインターンシップがたくさんありますよね。このようなインターンシップは実際の業務を行うというより、会社を知ることを目的としています。

しかしオーストラリアのインターンシップでは、数ヶ月間で実際の業務を行うタイプが主流です。

日本のような超短期のものはほぼ無く、オーストラリアのインターンはより本格的と言えますね。

オーストラリアインターンシップの現実

インターンシップと言えば聞こえがいいもの。しかし残念ながら、合法なのか怪しい「グレーな求人」も多くあります。

知らずに働いてしまう前に、まずはどんな現状となっているかを理解しましょう。

無給インターンシップは違法なの?

オーストラリアには無給のインターンシップが多くあり、有給よりも求人数が多く、応募条件も緩くなっています。

オーストラリア政府のフェアワークによると、無給のインターンシップ自体は合法です。

しかし無給インターンシップの内容には以下のような条件があり、それが守られない場合は違法と判断されます。

無給インターンシップの条件

・インターン生には生産的な(会社の利益となる)仕事をさせてはいけない
・雇用主ではなくインターン生のみに利益をもたらす
・インターンの目的がインターン生の学習経験、トレーニング、スキルの向上である

もし上記が守られない場合、雇用主は無給で雇うことができないため、最低賃金以上をインターン生に払う必要があります。

つまり、すべての無給インターンシップが違法というわけではありませんが、他の社員などと同じように通常の業務をさせられた場合は違法となりうるということですね。

無給でも有意義な体験ができるインターンシップはあります。また、未経験のため仕事がどうしても見つからないという場合、まずは無給でインターンシップをして経験を積むという人も多いです。

※フェアワーク:オーストラリア政府の機関。労働者の権利を守る役割を果たしている。

現地インターンシップには3パターンある

1.教育目的のインターン

専門学校やTAFEの職業コースでは、実習として実際の企業で働くことがあります。特にチャイルドケアコースや調理コースではカリキュラムの一部として組み込まれている場合が多いです。

これはインターンシップというよりも、実習や職場体験という言葉が近いかもしれません。

さらに大学では現地の企業と提携して、インターンシップを学生に紹介することもあります。

このような形態のインターンシップは、学校が責任を持って行なっています。そのため悪質な雇用主の元で働くリスクが低く、役立つスキルが身に付くことが多いです。

・学校が斡旋してくれるので安心
・将来役立つスキルが身に付く

・学校に通い学費を払う必要がある

2.採用を見越したインターン

「能力のある新卒を雇いたい」と考えている現地企業は、最初にインターン生を募集し、その働きぶりを数ヶ月見てから本採用することがあります。

そのため、このような求人の応募条件はフルタイムの仕事並みに厳しいことが多いです。

具体的な例としては以下のような条件があります。

・学校で関連の分野を学んでおり、その分野の中でも特定のスキルや知識などがある
・アピールできる資格、経験、ポートフォリオがある
・今年または来年卒業予定である
・フルタイムで3ヶ月働ける
・オーストラリアで合法で働けるビザがある(学生ビザ、卒業ビザなど)

このようなインターンシップはオーストラリア人も応募するので、競争率が高いです。

しかし成果が出せれば雇用につながりますし、もし雇用されなくても就活でアピールできる経験となります。

多くのプログラムは大学の長期休暇期間などを狙って行われるので、インターンシップの期間はフルタイムで3ヶ月程度となることが多いです。

しかし中には学校の授業と並行させながら、パートタイムで週に数日だけ行えるものもあります。

・将来役立つスキルが身に付く
・直接雇用の可能性も

・応募条件が厳しい
・競争率が激しい

3.人手を補うためのインターン

日系企業やホテルなどのサービス業では、ワーキングホリデーでも応募できるインターンを募集しています。

先ほどご紹介した1と2の方法では、ビザ、英語力、スキルなどの条件をクリアしなければいけないのに対し、このタイプのインターンシップは比較的簡単に採用されます。

そのため多くの日本人留学生・ワーホリの方がこのタイプのインターンを行います。

しかし一番注意が必要なタイプであり、違法なケースが多いのはこのタイプかもしれません。

・難易度が低い
・日本語で働ける場合も

・雑用をさせられるケースも
・違法な求人に注意が必要

3のインターンの注意点

このタイプは学校が介入しておらず、教育的な目的で行われているかを確かめにくいです。

さらに英語力やスキル、ビザなどの条件をクリアしなくても雇ってもらえるということは、長期での雇用は考えられていないということ。

結果的に、足りない労働力を補うためだけに「インターンシップ」と称して求人を出す会社も多いです。さらに仕事内容もトレーニングというよりは雑用やタスクである場合があります。

働いても欲しいスキルが身に付かず、長期的に雇用される可能性もないなら、アルバイトとそう変わらないのではないでしょうか。

さらに無給で行われているにも関わらず、会社がそのインターンの仕事によって利益を得ている場合、オーストラリアの法律によって違法と判断されます。

そのため3のインターンをする際には特に、自分に必要なスキルや経験が身に付くか、無給の場合は違法の条件に当てはまらないかを確認しましょう。

オーストラリアでインターンシップを見つける3つの方法

求人サイトから応募する

一般的な方法は求人サイトやキャリアポータルから応募することです。

フルタイムやパートタイムの求人と同じように、多くのインターンシップはオンラインで求人が出されています。

インターンシップを探せる求人サイトには以下があります。

Seek
オーストラリアで最も使用されている求人サイトの一つ。

Indeed
日本でもお馴染みの求人サイト。オーストラリアでも広く普及している。

Linkedin
就活用のSNSと呼ばれるポータル。気軽に会社の社員とつながったり求人に応募することができる。

GradConnection
新卒者やインターンシップを探している人向けの求人サイト。

これらのサイトで自分が見つけたい職種の名前と、「internship」「placement」「intern」といったキーワードで検索すると求人を見ることができます。

募集条件にあるスキルは実際に必要なスキルよりも高く設定されていることがあります。そのため能力不足と感じても思い切って応募してみるのがおすすめです。

学校のインターンシッププログラムに参加する

大学やTAFE、カレッジなどの教育機関で学んでいる人は、インターンシップの機会が提供されていないかを確かめましょう。

多くの大学ではキャリアセンターや就職支援サポートがあり、就活の相談をしたり大学専用の求人サイトを使用したりできます。

また、現地でのインターンシップをしたいと考えている人で学校が決まっていない場合、カリキュラムにインターンシップが含まれている学校や、インターンシップ先と提携している学校を選ぶのも手です。

学校によってはGPAや英語力など、インターンシップ参加のための条件が設けられていることもあります。

知り合いに紹介してもらう

オーストラリアでは知り合いを通じて仕事や住まいを見つけることが多く、インターンシップも友達などを通じて得る人がいます。

つながりがないという人は業界のイベントやセミナーに参加し、関連する人々と知り合うのもいいかもしれません。

さらにLinkedinなどを使えば自分と同じ学校に通った人など、様々なつながりをオンラインで作ることができます。

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